327話 最近の若いモンとにこにこマッサージ1

会員のためさんからメールが来た。明日の金曜日から道場通いが復帰するという挨拶メールである。

ためさんは「街残し」の専門家である。「町起こし」ではない。街の再開発というと、大規模商業施設を誘致して、カラータイルで舗装してと、その街の歴史や住民の街への思い入れなどとは無関係なところで進んでしまう。

「ちょっと待った!」というのがためさんの仕事である。この「ちょっと待った!」話を書くと具体的でわかりやすくなるが、そうなるとまたまた「ためさん物語1〜6」と長編エッセイへと突入してしまう。この2週間もNHKばかり書いてしまって他の話が書けなかった轍を踏むまい。涙をのんで割愛しよう。

ためさんは、同時に環境を考えるワークショップなどの講師もつとめている。先週末には「二泊三日で淡路島にて高校生とのワークショップです」と言われていた。その時の様子がメールに記されていた。

前日に宿舎入りして本格的に始めようという二日目の朝。高校生たちが会場に集まる。「みんなどんな気分だい?」

「重い」「だるい〜」「肩こってる〜」「首が痛て〜」

これが現代高校生の現状であろう。今を去ること40〜50年前であれば

「♪♪♪若〜く明るい 歌声に 雪崩も消える 花も咲く〜」

と歌われているがごとく、白銀の山々のなだれが見る見るうちに消えて山肌が露出し、茶色の山肌に花が咲き始める。恐るべきパワーである。冷静に状況をイメージすると、これはもののけ姫のラストシーンそのものである。シシ神、もしくはそのエネルギーの化身である「デイダラボッチ」のごとき圧倒的パワーである。

リアルに空想するともののけの世界であるが、今を去ること40年〜50年前の高校生を描写するにあたって、世間の人が違和感を感じないだけのパワーが、青い山脈高校生たちにはあった、ということは確かであろう。