331話 豚もおだてりゃ木に登る

日記を読み返した。「独立自営業者には休みはない」というようなことを誇らしげに書いている。読み返してカチンときた。自分が書いたものでも、時間が経過すると他人が書いたもののように読めるらしい。

だから、過去の日記を読んでいて、自分で大笑いすることもある。この方はなんて愉快な文章を書くんだろうと感心することもある。しかし、昨日のは違った。何か賛同できないものがあった。そこでそれが何なのかを考えたのである。ここが単なる自己陶酔うぬぼれやとは一線を画するところである。

結論はいわゆる主婦業との対比である。これなんざ、基本的に年中無休である。しかも成功というのがない仕事である。達成感というものがない。区切りというものがない。基本的には報酬もない。大詰めも山場もない。また同僚もいない。

「いや〜、今日も大変だったねえ。お疲れさん、じゃあ帰りに一杯やろうか」と言ってもそこは家の中。

こちらの方がよほど大変である、という認識に達した。

ということで、昨日のあの部分は消しはしないけれども、「ボクは大変なんだよ」と臭わせる部分は、何かとち狂った記述であると、ここに訂正申し上げる次第である。



気温が上がっている。湿度も上がっている。これが日本の夏である。その昔、故美空ひばりさんが「ニッホンの夏、金鳥の夏」とCMで言われていたけれど、整体的には「高温多湿、日本の夏」である。

高温多湿になると、胸が縮む。あごを出してあえぐような体勢となる。胸が縮むと足が出なくなる。小股になる。この循環になるほど元気が出なくなる。そこを逆手にとって、すこしその気で大股で歩くようにする。すると逆に胸が開いて呼吸が楽になる。20歩まず大股で歩く。これが今の時期を快適に過ごすコツである。


19日のにこにこマッサージを、メールマガジンでお知らせしようとしたが、久々にやってみると、うまく配信できなくなってしまった。しかたがないので、過去参加の方々などにメールでお知らせする。

中には、仕事の都合で遠方に越された方もある。日本海側某M市にいったMさんなどにも送る。大阪にまたかえってくる予定もある、というふうに聞いていたので、念のためメールである。

参加できませんわ、残念ですわメールが返ってくる。この方はそういうお知らせメールなどにお返事をくれるたびにブログをほめる一文を書いてくれる。これは作者にとっては非常に嬉しい。Mさんが大阪に帰りし折りには、知らず知らずに有形無形に優遇してしまうのではないか、と思ってしまう。


道場に定期的に通われている方々にも読者は少なからずおられるようである。しかし本人を前に感想を述べられる方は少ない。おそらく胸に秘めて忘れられないというほどの内容のものがないから、何か面白かったような気はするが、何が面白かったのか忘れてしまい、話題として切り出すのがはばかられるのではないかと思われる。

しかし、道場に通われているみなさまは、そのことにより『知らず知らずに有形無形優遇される』チャンスをみすみす逃していることになる。それはもったいない。そこでそういう場合にどうすればいいかをココに記しておくことにする。

まず、いついつのが面白かったか、というような具体的な指摘を避ければいいのである。

「先生のブログ、面白いですね。あのちょっと前に書かれていたやつ」

と言う具合に曖昧に切り出せばいいのである。極端な話これなら読んでなくても口にできるのである。そうすると私は

「どれどれどれ。NHK?カニのダンス?引っ越し?淡路島???」

などと内なる自負に従って、いくつかのタイトルを並べるであろう。そうした時あなたは

「それそれ、3番目のやつ」

などと適当に答えればいいのである。それで十分に会話は成り立ち、筆者はまことにいい気分になり、潜在意識の領域に「この人はとってもいい人だ。何かあったら心から力になろう」とインプットされるのである。

「どこがどう面白かったのか、200字以内で記述せよ」という国語の入試問題のような切り返しは決してしない。だからあなたは安心して

「そのもうちょっと前にも面白いのがありましたよね〜」

などと調子よく合わせればいいのである。以下くり返す。