340話 腰・骨盤・お尻を眺める 

最近筆者は骨盤の動きに注意が集まっている。道場に来られる善男善女の(いやいや私は悪漢悪女だという方はお申し出下さい。)方々のどこに注目して調整を試みるかということは、ある種の波のようなものがある。感応や気の傾向に集注する時期もあるし、背骨を情熱を持って観ることもあるし、内相を注目することもある。何百人かを観ると、ふっと変わっていくようである。先達の優れた技術を学ばせていただいて自分のものにするべく意識的に変わることもあれば、自然にシフトすることもある。

今は、椎骨状の閊えと質感の変化する椎骨と四肢の共鳴を整えるということがメインになっている。その方法になって、特に女性のお尻がよく整うことに気がついた。

うつ伏せで観ることが多いのだけれど、調整が進むうちに実にお尻の形が良くなるのである。

若いお尻は逆のハート型をして、くっきりと二つに分かれている。年を取ったり管日れている方のお尻は、逆ハート型で下に広がり、扁平で下がっている。お尻が変わるとうことは、骨盤が整うということだ。

今行っている方法がいいのか、今まで変化を見逃していたのか、両方なのか分からないが、とにかく目につく。骨盤が整って、さらにウエストまで締まった人もあった。

2月ごろにブログでちょっと書いた「呼吸困難のあやちゃん」は、この6月が教育実習だった。その間道場はお休みで6月の末に復帰してきた。それで「ウエストがなくなったような気がする」とのたまう。(実質でなく体感意識が)くびれがなくなってドラム缶のような身体意識になったようなのである。彼女なんかは、ドラム缶がひょうたんになった。()同じ。

手を当てているこちらが「およよよよ」と感動する。体型が変化するということは、動きの質も変わる。帰りに道場の玄関でくつを履き損なった彼女は、垂直方向にひらりピョンピョンと跳ぶことで体勢を整えた。その垂直跳躍運動が実に見事であった。マサイ族の戦士を彷彿させる動きであった。本年2月ごろの「疲労困憊、へろへろ、高校生からこっち『体調がいい』という思いを持ったことがないわ」状態のころなら、ぼてぼてっとよろめいたことは必至である。

こういう良質の結果を目の当たりにしていると、ますます骨盤への興味が増してくるのである。通勤途上で歩いていても、道行く人々の骨盤の動きが目に飛び込んでくる。前からすれ違う人の動きというのは一瞬しか見えないので、いきおい前を歩く人の後ろ姿を注視することになる。ウエスト、ヒップを眺めることになる。

この道の大先輩方は、服の上からでも動きの質から閊えまで見抜かれるが、まだまだ駆け出しの筆者などはできるだけくっきりと見える動きしか見分けられない。したがって長いたけの上着の人は観察対象から除外される。ウエストからヒップのラインが明瞭に観察出来る方を観たくなるのは当然の成り行きである。

すると「ウエスト、骨盤、ヒップライン むき出しの薄着組」というのが、おそらく年のころなら20前後の女性に集中しているのがわかった。