341話 またがみの短いジーンズ

それにしても、その年頃の女性の履くジーンズというのは、いつの間にあれほど「またがみ」が短くなってしまったのだろうか。

もともとジーンズというのは、それまでのスラックスに対してまたがみが短い。スラックスがウエストの『くびれ』地点でベルトを締めるようになっているのに対して、腸骨にかぶるあたりにベルトのラインが来る。おじさんである私がはくオーソドックスなユニクロジーンズはそうである。これをウエストラインまで無理無理に引き上げて細い皮ベルトで締め上げると野暮ったいということは、ファッション音痴の私でも理解している。

ところが現在注目中のジーンズのウエストラインというのは、さらに低い。腸骨の上端よりもさらに低い。おじさんの目には「脱ぎかけて途中で止まっている」というラインに見える。さらに、そういう「またがみの短いラインのジーンズ」を履く女性は、長いだぼだぼTシャツを外に出して着る、ということはない。これまたおっそろしくたけの短いTシャツかタンクトップと組み合わせていらっしゃる。非常に高い確率でその組み合わせである。

結果としてウエストライン及びその上下何センチがむき出し、という状況である。中の具が見えているのである。お吸い物の中のハマグリという感じである。みそ汁の中のアサリ状態である。後ろ姿のウエストにある「背筋」と「背骨」による「背中中央たての筋」ラインを超えて、ほとんどお肉のない仙骨ゾーンまでが露出している。したがって、中の下着さえ露出している。おじぎなんぞしようものなら、大幅露出である。しゃがみなんぞしようものなら大公開である。

スカートの中を、エスカレーターで手鏡を持ってのぞいていた大学教授が逮捕された事件があった。(その後、否認しているそうだが)タレントの田代なにがしもスカートを下から盗撮していて逮捕された。

下から、かつ道具を使うと犯罪になってしまうようである。上から、かつ道具を使わないと犯罪にはならない。この手の犯罪は、被害者の「被害者意識」によって犯罪として成立する。ご本人がご本人の意思で露出される分を眺めるのであれば、罪にはならない。したがって、私は逮捕されない。

どこかの大学教授も、そこで満足しておけば人生を棒にふらない良かったのである。