344話 桃 ひとつ23円50銭なり

「まったく仕事がなかったという日がない」の連続を土曜日で区切りをつけ、今日も仕事を入れずにきっぱりと休む。そして断固紀ノ川を川下りするぞ、と昨日、天気予報とにらめっこ。しかし、雨の予報。

今朝ゆっくりと起きると、曇り。天気予報も「今日はお天気が持ちます」だそうで。車にカヌーを積み込んだけれど、細かいプランが立っていないので、なんとなく気が進まないまま出発。

川の顔を見ると確かに楽しいけれど、雨で増水した中で、出発地点、上陸地点、駅への距離などいい加減にしてトラブるのもおもしろくない。それに危ない。

ということで、先日に引き続き川沿いにじっくりと下見をする。

途中「道の駅」に寄って昼食を取る。続いて地元物産品コーナーへ行く。長男の社会の地図帳の和歌山県紀ノ川流域の「土地区分」を見ると、紀ノ川沿いは「果樹園」という面積がひときわ広い。道の駅の地元物産コーナーにも「すもも」「すいか」「もも」などがならんでいる。

っと、その中に桃がひと箱。中には桃が17個。さておいくら?


何と400円!!よんひゃ〜くえ〜ん!

ほんのちょっと、ちびちびっと虫が食っている。こんなもの皮をむいて食べる分には何の問題もない。さっそく「完熟トマト 7つ入って300円」とともに買い求める。

400円で17個である。計算するとひとつあたり23円50銭程度の値段ということになる。5つ食べても缶コーヒーひと缶程度という値段である。何がこの値段にしているかというと、ちびっとの虫食い跡である。帰ってから自分でも皮をむいてみたが、剥くと消える程度の穴である。しかし、この程度の虫食いでも、スーパーの売り場に並ぶのには不適格だということなのであろう。そして、その消費者の感覚が農薬の使用を促進してしまっているのである。

味は梅雨の長雨の中であれば、この程度は十分合格点というものであった。関西人は、安く買ったという実感に幸せを感じる。幸せの桃ひと箱だったのである。


桃を積み込み、さらにじっくりと川の流域を調べて回り、ついでに支流も見て回る。先日書いた「九度山の丹生川」も上流まで行ってみた。予想に違わぬきれいな水である。土地の人に聞くと、6月には見事な源氏ボタルが乱舞するそうだ。来年が楽しみである。


さらに、日帰り温泉を見つけた。それも駅近である。

かくして、次回カヌー川下りプランが完成した。
自宅徒歩7分の駅より、電車1時間で川まで数百メートルという楽なカヌー出発点へおもむく。
およそ15〜6キロの危険のない見晴しのいい川下りを楽しむ。
上陸地点には道の駅を選び、あわよくば激安桃をお土産に入手する。
そこから最寄りの駅まで向かう途中で日帰り温泉に入る。

さて、誰かご一緒しません?