368話 レッスン内容試行錯誤

ヨガの新しいカリキュラムを模索中である。

もともと私はヨガの講師である。大きな団体の講師として、もっとも多い時期には一週間に250人ほどの担当を頂いていた。

師匠よりカリキュラムを授かり、文化教室などで行なう。単純に言うとその繰り返しである。成果はよく上がっていた。しかしながら、なぜ良くなるのか、何が効いて元気になるのか指導しているこちらも分からない。

多い教室なら40人近い人数が一斉に動く。

こちらの意図した動きから外れないように誘導はできるが、それがひとりひとりにぴっったりの動きになっているかどうか、というのは相手まかせである。

そんな時に「野口整体」というものがあることを知り、背骨のひとつひとつの表情を読むことで、その人の現在のからだの状況や、改善の度合いを知ることができるらしいということを知った。

そこで自分でやる教室の理想として、来ている方の背骨が読めるようになり、その人の健康状態、異常の有無や程度を読み取り、ヨガなどの体操をやってもらい、ふだんの整体で把握したその人の体にジャストフィットするようにアレンジし、背骨や体を観ることでそれが良かったかどうかの評価をし、次回の改善のテーマを見つけるということをくり返したいというものがあった。

そういう理想のかたちにむかって6年ほどせっせとやり、今年は特に整体に力を入れて「読み取り」の数をせっせとこなしてきた。(って、まだまだですけど)

特に最近は毎週せっせと整体に通われる方の数が増えて、健康度が改善してきて「こんどは体操のレッスンの方にも」という方が増えつつある。

ということで、ヨガや快気法のグループレッスンを初心者向きにまとめようということで、模索中である。

今大きな候補になっているのは、受胎から誕生、ハイハイから直立への成長の過程をポーズで追いかけていくというもの。以前ミュート大阪の河野先生の講座でも、半年みっちりやった内容である。

アメリカ帰りの理学療法士S川さんが、神戸の文化教室でそういう流れでからだを整える講座をやっている、と言われていたのが潜在意識のどこかにもちょっと引っ掛かっていたようで。

まったく別のカリキュラムをやるつもりの土曜日に、たまたま故障を抱えた方や、からだにあわない動きの誘導にはまったく動けない敏感な方などが集まられていて、どうやったら、これらの方に肌になじんで無理なく、気持ち良さが味わえるか、ということでやっていたら、自然発生的に受胎誕生成長直立の流れになった。

誰もが生きてたどって来た過程であるので、自然でからだにフィットするのは当たり前だとも言えるけれども、「それで行こう」にたどりつくまでは、紆余曲折、試行錯誤、艱難辛苦、抱腹絶倒?である。

その日のレッスンが良かったかどうかを正直に表明され、良くない時には断じてほめないI田さんにも好評であった。

ふむふむ。

ちょっとしばらくこの線で行ってみよう。