392話 はしか激減ス

10日の大阪読売新聞に「子どものはしか激減」という記事があった。

厚生労働省の全国調査では、例年1万〜3万人の患者が報告されてきたが、昨年は1554人に激減し、さらに今年はそれを下回るのは間違いないという。ただし、この数字には裏があって、集計もとは「全国3000カ所の児童医療機関」に限られるため、実数はこの10〜20倍だろうということである。

ということで、少な目の10倍で記事を読み直すと

はしかに罹患する人は例年10万〜30万人の患者が報告されてきたが、昨年は約1万5000人に激減し、さらに今年は現在で5600人ほどなので、昨年を下回るのは間違いないという。

この記事は、これははしかの予防注射を推進したことによる効果である、という内容に続く。一歳までにどんどん予防接種してしまうことを進める記事である。


整体の世界では、予防注射はできるだけ打たない方がいい、という考え方がある。

世間の常識とはまっこうから反するけれど、「病気にかからないことが健康」という考え方ではなく、病気というハードルをクリアしていくことで、より丈夫になっていこうという考え方である。

私は基本的にはこの考え方を支持している。

生まれてから死ぬまで、のほほんと何のトラブルも悩みも激動もないままにまっとうする、という人の方が、希有であるということは、まず言い切ることができる。数年というスパンでは大過なくすごしていると言えても、10年数十年という長さではかれば、ほとんどの人があれやこれやの尋常ではない出来事に遭遇する。

子どもの間に「何事もなく」過ごさせるよりも、子どもの間に、大人になって何かあっても切り抜ける力というものが養われている方がいいと考えている。

そういうものの一つとして、子どもの間に、水ぼうそうやらおたふく風邪にかかり、自力で乗り越えていくということが重要だ、という野口晴哉先生の指摘を支持している。

おたふく風邪などは、それにかかることで生殖器を育てているのである、という考え方がある。一見突飛な説である。

大人になってからおたふく風邪にかかると、子どもが出来なくなるなんて言われたりする。大人になってからかかると症状の出方が激しくて大変だよ、というのも事実よく聞く。

そういう体験を角度を変えて見れば「おたふく風邪というのは、生殖器系統に強く影響を及ぼす身体の変動をもたらす」ということや「子どもの間にかかれば大したことなく経過する」という景色も見えてくる。(つづく)