404話 にこにこ講習会

23日

今日はニコニコマッサージの一日講習会である。急に風邪を引いた、仕事、ゼミの発表が回ってきた(のはM森君)などで前日当日に実に6人もの大量キャンセルがあったにもかかわらず10人の善男善女老若男女が集まった。

実に嬉しい。

もちろん一人二人では講座そのものが成り立たないから、経済的にも嬉しいけれども、そういうことではなくって「ニコニコマッサージを支持(体験者済みの方)期待(初参加者)」されていることがぐぐぐっとこちらに伝わってくるその感触がとっても嬉しいのである。

「魅惑のTゾーン」と名づけた「腰・背中・肩/疲労感集中の目抜き通りの短時間一挙解消パターン」で幕を開けた講習は、期待を裏切らず参加者をみるみる解きほぐしていく。

それは、疲労物質のたまった筋肉を物理刺激で懐柔し、疲労物質を流し出そうと、よくマッサージなどの解説に書いてある様とは異なる情景である。

ニコニコマッサージには物理的な圧力というものはほとんどない。やり始めには少し圧力をかけるけれども、可能な限りさっさと弱くしましょうね、という誘導を行う。

通常のマッサージ、ヒーリングなどでは、終了時にはゆったりとリラックスしている。もちろんにこにこマッサージもそういう方向へ誘導していくことはできる。しかしながら、身体そのものはきわめて活動的になる。関節がゆるゆるになり、すこすこと動くようになる。

「乳酸などの疲労物質が、部分的に滞留して、筋肉は萎縮して硬化する」というような説明は、きわめて合理的で納得性が高い。その背景にあるのは

「私は悪くない。乳酸が悪い」

という考え方である。「疲労物質のような私ではない邪魔者は、一刻も早く追い出さなくっちゃ」という考えである。

しかし、にこにこマッサージを実践していると、その考え方には疑問が湧く。疲労物質が悪いのではなくって、自分の体の使い方が間違っているんだよ、ということを教えてくれているように思える。

皮膚表面上にある「締める」「開く」「上げる」「下げる」「送り出す」「返す」という方向性6種と「骨の場所を感じる」「関節の形を思い出す」という2種類の刺激をさらさらとさすれば効果は出る。

先日マッサージルームを開業されたK谷さんは「強い刺激のマッサージを受けすぎた人には効かない」と嘆いていたが、私の講習に来る方の中には、そういう「マッサージ受けまくり」という方はほとんどおられないので、圧倒的多数の方に、劇的な効果を楽しめる。

あたかもそれはブレーキをかけながら走っている自転車のブレーキを外す、という例に例える事が出来る。

ブレーキから手を離して動いてみると、実に楽に動けることに気づく(続く)