410話 不正 1
先日「にこにこマッサージ講習会」編をブログに書いたが、実はあの原稿には「まぼろしの別編」があるのだ。
というとたいそうだけれども、あの原稿の前に書いた一本が、書き終えたところで保存が効かずに、パソコンから消えてしまったのである。電車の中でぱこぱこと軽快に書き、それはなかなか満足のいくおもしろい内容であった。また電車が下車駅に到着する寸前に書き終えるというタイミングも、筆者のすこぶる満足いくところであった。
一気呵成に書いている途中で間が空くと、次に書くときに非常に手間取る。一気に書いて一気に書き終わる。こういう時の内容の方がおもしろい。だから先日の原稿は後日の書き直しである。一度完結したものを再度同じ内容で書き直すということはけっこう苦痛である。だから先日書いた原稿は、まぼろしの原稿とはけっこう違うニュアンスのものになっている。
それで、順調に書いていた前の原稿の時、終着駅が近づいてパソコンを終了しようとしたら、突然画面上に
「不正な処理が行われたので強制終了します!」
という、何か捜査一係の刑事がどやどやと踏み込んできて、逮捕令状をかざしているがごとく、毅然とした宣言である。
パソコンソフトを考えた人は頭がいい人だろうと思うけれども、国語は少々勉強してもらった方がいいように筆者は思う。
「不正な処理をやった」
などと、ユーザー様をつかまえて何で犯罪者扱いするんだ。
俺は税金もちゃんと払っているし、キセル乗車もしない。賄賂を受け取ったこともないし、贈った事もない。マンション設計で強度計算をごまかしたり、鉄筋の数を減らしたこともない。