422話 耐寒パソコンライフ

DELLのノートパソコンは好調である。バイオくんやマックちゃんとは、7〜8年のジェネレーションギャップがあるために、まあ夢のような便利な機械に思える。

自転車しか知らなかった中学生が、高校生になっていきなり原付に乗ったような感動とでも言おうか。


その一つが「ワイヤレスネットワーク機能」が内蔵されていたことである。

お陰で、コードなしで我が家のどこででもネットに接続でき、ブログの更新などもすいすいと行われてしまうのである。


実に快適である。


さて、問題は、週に2回は泊まりに行っている尼崎の実家の方であった。

前にも書いたが、電話をNTTから、なんやよくわからないけれども、そちらに申し込むと今までよりも通話が安くなるという甘言に踊らされて、日本テレコムさんだったかKDDIさんだったかに変更したとたんに、ふつうの電話回線を通しても、ネットにつながらなくなったのが我が実家でのWEB環境である。

そういう話を、筆者のエレクトロニクス顧問のまさしさんにお話すると


「津田さん、津田さん。今はいろんなところにワイヤレスネットワークの電波は飛んでまっせ」


というお話であった。

そこで、車で実家に帰った日に、実家の周辺に車を停めては、パソコンを開いて電波状況を調査してみた。すると、あるわあるわ。

微弱ではあるけれども、そこかしこに接続可能な電波が飛んでいる。

これで、一応は私のネットライフは、実家に宿泊の日も中断されることなく、ブログの更新やらメールの確認などを行うことができる。


一応は。


そこには少々の問題がある。自宅周辺には接続可能な電波は飛び交っている。


「自宅周辺」には、である。


自宅内には飛んでこないのである。

玄関を出ると、パソコンは自動的に接続可能な電波をキャッチして、接続してしまう。しかし、屋内に入ると、接続は途切れてしまう。微妙である。

そこで、ブログであればその日更新する新しい文章を下書きした後、庭に出る。メールはお返事をさらさら(ぱこぱこ)と打ち込んでから庭にでる。そして、花壇のへりになっているブロックの上にパソコンを広げて、目の前の花壇になぜか鎮座されている二匹の信楽焼のとっくりを持った狸の置物と向かいあいながら続きの作業を行う。

風流である。

自宅前は川である。市が「せせらぎの散歩道」というような大規模河川改修をして、河川敷に散歩道をつけたりしている。

自宅の真ん前の部分は、二つの川が合流する部分で、我が家前の支流が、本流に流れ込む部分を無理矢理コンクリートでプチ急流を作り、強制的に水音をたてるようにしている。

静寂な夜のしじまに、(無理無理人工的ではあるが)水音だけがそれとなく耳に入り、そこにパソコンを打つ「ぱこぱこ」という音だけが重なる。

風流である。優雅である。

ただし、


さ、さ、さ、寒い。


でもなんかこの環境、気に入っている自分がいます。