425話

昨日の続きである。


某衣料メーカー研究所の方々に、最初は手技によるニコニコマッサージを体験していただいた。


実にささやかな反応であった。


「そう言われれば効果があるような気もするけれども、ないと言われればない、とも言えます」


と、正直には言われないけれども、言うなればその程度のリアクションであった。


昨日のブログで明らかになったが、筆者は徹底的に身内に甘く、それ以外に厳しい。身内中の身内とは誰かというと、それは自分自身である。


つまり、筆者は「自分のやることなすことは徹底的に高い評価を下し、肯定的に見、希望的観測をする」ということである。


それはすなわち「他人のやることは徹底的に低く評価し、否定的に見、絶望的観測をする」ということでもある。


自らの手柄は大きく、人の手柄はミクロに評価するか無視をする、という性癖のある人間であることは、わきまえてこの雑文集を読まれた方が、客観的な情報が得られるであろう。


そういうことを再びわきまえていただいて、読み進まれるのが良かろうと思う。


手技に関しては、はなからそういうものだろう、というのは過去何十回の講習経験からも予測できた。そういう身体感覚に関して、人はあまり詳細に感じ取る練習はできていないからである。にこにこマッサージの講習会でも、最初はよく分からないという反応がけっこう多い。

しかし時間ととともに盛り上がり、文字通り「にこにこ」のオンパレードになることが常である。


そこで、次にテーピングによる手足の運動機能の変化を体験していただいた。収縮ゾーンにクロステープを貼るという手法である。これは初めて自分でやってみた時に、あまりの違いに感動し、3日以上そのテープを貼りっぱなしにしていた経験がある。それ以後はテープがはがれてきたので断念したが。


上着カッターシャツを脱いでもらい、腕にテーピングをして空手風に「突き」「パンチ」を繰り出していただく。これは明らかに違いが出た。


さらに脚にもクロステープを貼っていただくことにする。


レーニングウエア持参の若手の研究員の方に更衣室に入ってもらい、テープを貼ってから、ジャージを履いてもらって、蹴りや脚上げなどの動きの差を見てもらおうと意図した。ここで先方とこちらの立場の差が出た。


私は動きを見てもらえばと思ったが、研究所の方々はテープの貼り方が見たかった。テープを貼った「なま足」に興味があるのである。そういえばそうだ。その為に来られたんだ。


ということで、若手社員の方が足の動きを色々と試みられる。蹴りの動きは明らかに違う。

ここで筆者は考えた。若手研究員の方々だけでは片手落ちであろう、上司の方にも体験していただかないと正しい評価を受けられないかもしれない、ということで、「課長」氏にも脚のテーピングをしていただいた。


さて、これでニコニコ理論がどう受け取っていただけたか、という行く末が楽しみである。


前期したように、私の評価基準は偏っている。筆者が「一本」と思っていることは、相手にとってはせいぜい「効果」「有効」で「技あり」でさえないかもしれない。