433話 じゃま蛇腹ダイエット 1

説明すると長文の論文になってしまうので詳しくは割愛するが、最近は一対一の個人調整では、もっぱら「虚実のアンバランス」というものに注目し、それを整えるようにしている。


内なるゆがみの方向に姿勢と氣を向けると、そこからいきなりすっきりと整った姿勢が生じて、こりやこわばりが消失、または大幅に減少する、というような、現象としてはそういうことなのである。


伊丹のI野さんを調整していた時である。「内なる歪み」の検出は立ってもらって後ろから調べるのであるが、その際に肩や腰に触れる。

目の前には肩胛骨があるが、過去3回の調整でI野さんの肩胛骨の景色はずいぶんと変わった。おばさんくささが激減している。


肩胛骨同士が離れて、背中がいわゆる「猫背」になるほど、おばさんくささは激増する。肩胛骨と肩胛骨が寄ってきて、かつ肩胛骨と背中のお肉の間に『段差』が生まれるほど、後姿は若々しくなる。

ようするに、若返ってきたということである。


調整の効果が発揮されてくると、腰は伸びるし、肋骨は上がるし、胸は上を向くし、肩胛骨は背中にべったりと貼りついていたのが、浮き上がってはがれ、中央に寄ってくる。


この寄り具合というのは、およそ1ミリで一歳の若返りぐらいの印象がある。(って別に計測していないけれど)片側5ミリ寄ってくると、40歳の背中が35歳になり、片側1センチ以上寄ってくると、30歳の背中となる。

さらにそれ以上になると、おお恐ろしい(何が?)。


泉ピン子の背中が、ナタリーポートマン(ラッスク・スーパーリッチCMならびに、映画スターウォーズアミダラ女王参照)の背中になる。(のは無理かな)


とにかく、虚実のバランス調整がうまくいくと、そういう「正姿勢」がまったく無理なく「その姿勢の方が楽だ」という実感とともに現出する。

そうやって、調整後に後ろに立って、肩やウエストに手を添えて感応しながら、調整の具合を観ていた時の話である。