448話 楽天的な2月

3月になった。


年頭に書いた「初日の出」の話で「元旦といっても年によって色々と変動しているのね」という一文を書いた。そこでやり玉に挙げられたのは、補正のためにせっせと働いている「うるう年」であった。


こうして2月を終えて3月を迎えると、この2月という月が実に不可思議な存在であることに気づく。うるう年をうるう年たらしめているのが2月である。4年に一度29日になることによって、太陽と地球の位置関係と季節のずれを補正している。


それはいい。ずれっぱなしで700年ほどたつと、季節がキレイにひっくり返ってしまうのだから、そこのところはぜひとも補正しなければならない、ということには異論はない。うるう年の両手を握って「ご苦労様」とその陰ひなた無い働きぶりをねぎらいたいほどである。


しかし、28日で月が変わってしまうというのは、あまりにも唐突である。筆者は個人事業者であるから、自らの月々の稼ぎというものが、そのまま生活に反映する。月々の稼ぎというのは、当然だが日々の稼ぎの集積である。


スケジュールの基本は週で組んであり、毎月「4週間+2ないし3日」の売り上げで生活している。


2月は、その「+2ないし3日」というものがない。この2月は幸いにして例年にも増して多くの方が道場に足を運んでくださったので、青ざめた顔で月末を迎えることはない。借金取りに追いかけられ、死んだふりをしてやり過ごす、ということも必要ない。(って今までもないけど)


けれども、それでも「+2ないし3日」があるのとないのとでは「今月もよくがんばってくれたね」と自らをねぎらう際には、圧倒的精神的な差を生む。


ゆえに何だって2月は28日しかないんだ、ということに関して、サラリーマンの方よりは敏感になる。浅学な筆者はそれについての合理的な説明を聞いたことがない。だって、他に日数の余っている月がたくさんあるんだから。31日の月を二つほど減らせば、2月だって30日に昇格できる。一歩譲って31日の月を一つ減らすだけでも、2月は29日までは昇格できる。

1ゲーム(1日)差なら、年間優勝まではいかないけれど、プレーオフ進出はできるかもしれない、という「プロ野球パリーグ、3位争い」あたりの「ロッテ、西武、日本ハム」のポジションにはいけるじゃないか。


それを「どうあがいたって他の月に肩を並べることはできない」という28日で置いておくのは何故なんだ!ということである。まるで昨年の「東北楽天」や星野監督就任以前の阪神タイガースみたいじゃないか。


その昔は一年は11ヶ月しかなくて、米相場かなんかで儲けた商人が、「新しい月を設立して新規参入した」という話も聞かない。


さらに、何ゆえ、年が始まったすぐ翌月に「それ」を持ってくるのか、ということも謎である。


2月と聞くと「さむ〜」と思うが、「3月」と聞くと「あ、春だ」と思う。


圧倒的に農民が多かった時代に、一刻も早く「もう春なんだから、田畑に出て働かなきゃ」と思わせようという権力者の意図が働いているのか、それとも「春よ来い、早く来い」と願う民衆の思いを暦に反映させたのか?


どなたかご存じありません?