お知らせ


ミュートネットワーク代表・我が身体探求道の師匠である河野智聖先生の、東京朝日カルチャーセンターでの対談が、今週末に行われます。4月15日の土曜日、午後6時〜8時です。


対談のゲストは、空手の柳川昌弘先生。


柳川師範は赤ん坊の頃ベビーシッターに落とされ、その後遺症のため弱視病弱な少青年時代を送りました。しかし肉体的なハンディをすさまじいまでの空手の稽古を通して克服しました。そして常人では到達しえない身体を獲得された方です。達人です。「達しちゃった方」です。


弱視で、空手の一派一流を構えるというのが、どれだけな大変かというのは、少し想像すれば分かります。


しかし、もう少し考えてみると、五体満足な身体からなら、空手を「する」ことは容易であったでしょうが、空手を考える、突き詰めるという次元でとらえてみると、五体不満足な視点だったからこそ見えてきた世界があるのでしょうね。


柳川先生の代表的な著書名が「空手の理」なんです。


からだにハンディがない状態であれば、突いたり受けたり蹴ったりという自分ができることを集めたものが「私にとっての空手」ということになります。だから通常の武道家ならば「我が空手道人生」(ってそんな本あるかどうか知りませんがなんとなくイメージで)とか「私の合気道修行」とか、そういうタイトルになりそうです。


ところが、手足はよく動かない、目の前にいる相手もろくに見えない、というところからだと、「空手とは要するに何なんだ」ということを徹底して掘り下げて、その「理」に導かれることで、今の柳川先生の達人の域に行き着かれたのでしょうね。(と勝手に想像します)


河野先生は合気道植芝盛平翁と整体の野口晴哉翁の影響から、身を調える武術「心道」を提唱しています。


この「心道」創出の逸話がおもしろい。


整体を始める前に河野先生は中国拳法を学ばれていました。プロのボディーガードの家系に伝わる武技でしたから、それはそれは実戦的なものだったそうです。


それで、整体を学び始めてその深奥なる世界に触れて、それまでの「武技」と「整体」がご自分の中で共存できなくなってしまった。片方では人の戦闘能力を瞬時に崩壊させることをせっせとやり、片方で人を元気に健康にすることをせっせとする・・・・なんてできない!!


しかたがないから、それじゃ僕は人を健康に元気にすることができる武術を探していこう、と始められた。そうすると、突いたり投げたりすることが人が整っていく武術というのが、本当にできていったのですね。


心道の末席を汚す筆者としても、この「人を整える武術探求」という選択が実にすばらしかったと思います。


だって、武術の起源を考えるなら「生命のやりとり」ですから、究極「人を殺す技術」になる。一歩ゆずって「人を傷つける技術」ということになる。

これって、実際には練習できませんよ。だって成功したら相手は死んじゃうんだから。


ところが「人を整える武術」はいい。突かれたり、投げられたりすることで、我が身が整っていくのですから、稽古相手にも喜ばれる。いやがられない。効果があったかどうか、というのはいくらでも確かめることができる。だからその技法・技術はどんどんと精緻を極めていくことが可能です。


浅学なる筆者が理解し得るレベルで考えてもすばらしい境地のお二人の先生ですから、単に身体だけではなく、心の世界へも通じるお話が聞けると思います。


達人の中でも、あまり表に出てらっしゃらない神秘的な存在とも言える柳川師範が公の場で対談するという歴史的瞬間にぜひいらして下さい。


新宿朝日カルチャーセンター(新宿住友ビル4階)
電話 03−3444−1947
料金  3150円(朝日カルチャー会員)
    3670円(一般)

ホームページ http://www.acc-web.co.jp

<講師紹介>


柳川昌弘(やながわ まさひろ)1939年東京生まれ。東京理科大学卒。元防衛庁技官。1967年全日本空手道連盟・和道会柳川道場設立。1970年最上稲荷山大荒行入行。文化女子大付属杉並中学・高校委託講師などを歴任。著書に「空手の理」「続空手の理」「宮本武蔵五輪書」(福昌堂)「
般若心経の暗号」(KKベストセラーズ)「法華経に秘められた予言」(公人の友社)ほか多数。


河野智聖(こうの ちせい)心身の合理性の追求に興味を覚え空手・心拳・北派少林拳総合源流などの武術や操体法や整体術などの身体調整の技術を学ぶ。○身を調える○相手と和する○年とともに成熟するの三つを目的にに1992年「心道」を創始。その後、快気法・動体学・ニコニコタッチセラピー・チセットなどジパングボディメソッドを提唱している。著書に「日本人力」(BAB)「身体操作術」(経済界)「健康になる整体武術」(筑摩書房)などがある。