488話 歯が・・・ふがふが

左の前歯が折れた。


見かけは元気そうだったけれども、本当は疲労困憊していたのであろう。筆者26日ぶりの休みの日に、ソーセージをのせた調理パンを食べていて「ガリッと」来たので、吐き出すと前歯だった。


筆者の右の前歯も、ものを食べた時にガリッと折れたのであるが、右の歯の時はキンキンに硬い「あずきアイス」との勝負に負けたのであるので、いささか納得も行くが、「ソーセージのせ調理パン」を食べて折れるというのは、いささかショックである。


人間いつまでも若くはない、というのを身にしみて知ったのである。携帯電話のように「次世代」永久歯とか「第3世代永久歯」なんってのは生えてくれない。


すぐに歯医者に行くと、右の前歯も仮歯のままではないか!とY先生に厳しく指摘される。昨年引っ越しの直前に折れ、仮歯を入れたところで和歌山に引っ越しし、そのまま支障がないので、ほっておいた歯である。


すぐさま右の仮歯も撤去される。


「左の上の奥歯も抜けっぱなしではないか!」

とこれまた糾弾される。


そういえば3ヶ月ほど前にかぶせが取れたが、これまた何の支障もなかったので忘れていたのであった。


「次の来院時に土台を作る、さすれば仮歯も入れられるが、それまではそのままで我慢せい!」


というのがY先生の指示であった。


ということで、数日間上の前歯のない顔で過ごすことになる。


人間、前歯がないだけでこれほど印象が変わるのね。今を去ること20数年前の娯楽番組の傑作「俺たちひょうきん族」で明石家さんま扮する「知っとるけ」もしくは「アミダババア」のような顔になってしまった。


1センチにも満たない前歯の有無で、決して上等とは言えないが、それなりには整った顔が「あみだババア」になってしまうのである。


がばいばあちゃんの名言「人生は総合力」を思い出した筆者だったのである。顔もまた総合力だったのね。