571話 骨折り話
家内の骨折は、おそらく順調に回復していて、手を当てるたびに、寝起きが楽になるのは確かである。
ギブスをしているが、肩は固定されていないので、最近は肩をくるくる回すということもできるようになっている。
今週は金曜日にギブスが取れる予定である。
毎日開業している近所のお医者さんではなくって、大きいところにいったので、主治医の先生が火曜と金曜日にしか来られないため、そういうスケジュールになっている。
安静3週間、全治3ヶ月という診断であったが、思うにこういう診断はやや多め、長めを診断するのではないか。
昨日もならのN山さんが三人目を産気づいたという話が入ってきたのだけれども、予定よりも一週間ほど早い。予定日というのは計算で出す仮の日であって、赤ちゃんがその日ですと申告したわけではないのに、人間が勝手に仮決めしたした日をもとに「遅い」とか「早い」とか言っている。
赤ちゃんが熟して自然に出てきた日が予定日であるから、もともとの予定日というのが絶対的にあるわけではない。
が、その日が一人歩きして「早い」とか「遅い」になる。
安静3週間という診断も、3週間でギブスをとったら、ぜんぜんひっついてなかったということのない数字であろう。2週間目で肩くるくるなので、治癒の促進はできているように思う。
折った場所も愉気するけれど、ひたすら全身のバランスを取るように手を当てている。背中がゆるんでも、首が和らいでも、腰が伸びても寝起き時の肩の痛みは変化して楽になった。
折った側の指が動かないというのも、背中や首がやわらぐとその場で動きは軽くなった。
骨折にまつわる痛みであっても、その場所だけの事情で痛んでいるわけではないのだなあということを実感した。