597話 隠岐の島 マタニティアイランド化作戦 2
隠岐を「お産の島」にするにあたって、まずは隠岐町(数島からなる)は、日本国に対して独立宣言をする。そしてその国籍は血統主義ではなく、属地主義とする。つまり隠岐の島で産まれたら、隠岐国の国籍を取得できるようにするのである。(おお、そういえばI上君は今戸籍係だった。お手のもんでしょ)
奇しくも、これを書いている今日は、Drコトーの最終回である。小林薫さん演じる星野さんのような人がまずは内地で、コトーのような医者を探す(ってこれがたいへんだから問題になっているのだけれど)
探すコンセプトは離島医療ではなく、「理想お産」である。
お産の専門家でない45歳のおっさん(筆者のことだよ)でも出産に対してこれだけ熱くなれるのである。1億2千万からの人口のいる国であるから、お産の専門家の中にもっともっと理想のお産がしたい、という産科医も助産士さんもきっといるはずである。それに生涯かけても悔いはないとうかたもおられるはずである。
さらには整体などの骨盤ケアができる人材も確保する。
実は先日、摘み菜を伝える会の代表の平谷けいこさんが、摘み菜本出版の取材のために隠岐の島に二泊三日滞在された。来春出版の本のために、この秋、他にも何箇所か取材に行かれた。それぞれ良かったのだが
「隠岐の島が最高でしたよ、せんせ。第二のふるさとになりました」
というのが平谷さんのコメントであった。
「島流し先」「流刑地」として有名な隠岐の島である。海の向こうの行ったら帰れない不便、不都合、不快、理不尽な最果ての地であると思われるであろうか。
否である。
隠岐に流刑になった政治犯の中には、赦されて京に戻ったあとで、隠岐での暮らしが忘れられず、家族を連れて再び隠岐に渡り、余生を暮らしたものもあるという。
なんという優しい島であろう。これこそ「理想のお産」の島。「マタニティアイランド」にふさわしいではないか。
(つづく)