598話 隠岐の島 マタニティアイランド化作戦 3

そうやって、施設人材を確保すると同時に、理想のお産情報を日本国に対して発信し続ける。最近はホームページというコストがかからない広報手段があるから、ホームページおよび役場の「マタニティ促進課」による受け入れ窓口を公的にしっかりとつくって、新聞報道などをちょちょっと仕掛けておくと、あとは口コミでいけるのではないか。


そして、妊婦さんだけでなく、家族親族も長期滞在してリフレッシュできるような場所という状況をハード・ソフト両面でつくるのである。


そして生命の誕生の前後を、隠岐大自然の中で過ごし、いのちを、生きるということ、健康ということとじっくりと向き合っていただくのである。


野口整体で説かれていて、みなみなものすごく魅力を感じるけれど、実際にはむずかしくって出来たという人はほとんどいない「産後、お母さんは左右の骨盤がきれいにそろうまで一切起きあがらないで(約4日間かかるとされ、みなやりたがるが失敗、あるいは断念する)出産を機に理想の骨盤に戻す」というようなことも、そういう施設であれば可能であろう。


そんなところがあるのであれば、我が家ではちょっとこれ以上の出産の予定はないので、息子のお嫁さんや(ってまだ息子は13歳で、彼女もいないようであるが)、娘たちがお産をする時にはこんこんと説得し(必要ないかも知れないけれど)隠岐の島に送り出すであろう。っていうか、送り出さないで自分も一緒に行き、隠岐を堪能し、I上君と遊び、日々娘やお嫁さんの整体的ケアをしながら、孫の誕生を愉しみに過ごすであろう。


ううう、隠岐の「いかの沖漬け」の味を思い出した。う〜、食いたい。


そうやって、「お産するなら隠岐の島」という評判を立てるのである。そうなると、自然出産を研究する人、そういうお産の介助がしたいという助産士、自宅出産に取り組む産科医なども研修に訪れるようにするのである。


ううう、隠岐の「あご(トビウオ)野焼き」の味を思い出した。う〜、食いたい。


そして、命と向き合う数週間を過ごした隠岐の島は、新米ママ、家族にとっても忘れられない地になるであろう。国籍を取得した新生児たちには、ご自分誕生前後をビデオに撮影し、ドキュメント番組としてまとめられたものを12歳か20歳かに隠岐国からのプレゼントとして送付するのである。


ううう、隠岐お海のきれいな水の色を思い出した。泳ぎて〜!(って夏にね。今じゃないよ)


その感動のビデオは、隠岐出産児たちが、再びみずからの子どもも隠岐で出産する強力な動機付けとなるであろう。かくして、隠岐の子どもは、鮭のように出産の時期になると隠岐に戻ってくるのである。


「離島医療」にするから、人は集まらないのである。理想医療(ってお産を医療ししないということが筆者の論であるが、一般の方々にわかりやすいようにここではこう表現する)の島にしてしまえば、島の人だって「隠岐で産みたい」になるであろう。


離島した人も「産む時は隠岐で」になるであろう。


離島というハンディを、「離島なればこそ、その時期にはひたすらお産、命と向き合うだけの時間にできる」というメリットに転換すればいいのである。