661話 敏感尻1
携帯を尻ポケットに入れている。
自分の道場は本拠地としてあるのだが、一カ所にこもれない性格のようで、大阪神戸奈良生駒に泉佐野とあちらこちらにも出かける。
移動はほとんど電車だし、レッスン中や整体中も電話は取れないから、携帯は常にマナーモードになっている。
電話はけっこう入るので、ブルブルッっとバイブレーターで知らせることに対しては、意識を集めているようになる。
それが度重なると、だんだん「おなか回り、腰周辺部」の「ブルブル」に対して、どんどん敏感になっていく。
しまいには、腹部の中での動きも、くまなく感じ取るようになってきたようである。
おなかに「じゅるじゅる」と振動を感じて、はっと手をやってもそこには携帯はない。おなかの中の動きだったと言うことが分かる。けっこうおなかの中で、消化物が動くのかガスが動くのかは分からないけれども、ぐるぐるじゅるじゅると動くことがいかに多いことが分かった。
胃袋さんか小腸さんかは存じませんが、せっせとはたらいて下さってありがとう。