703話 東京往復バス乗車18時間

22時半三宮発の東京行きの夜行バスで出発。


高速の夜行バスというのはおよそ25年ぶり。25年前には、ほんと田舎を走っていた乗り合いバスを持ってきただけというおっそろしいバスであった。だって乗り口に「整理券発券機」がついてたんだから。

きわめて乗りごごち悪い、というか、はなから睡眠というのをまったく考慮に入れていない、安かろう悪かろうという「ただのバス」で目が冴えた筆者は、乗り合いバスにつき物のの「次止まります」ボタンがもついていたので、名古屋の手前で戯れにスイッチを押してみたのであった。すると深夜の静かな車内に「ピーンポーン」という大音響がこだまして「次止まります」の全車内の全てのライトが灯ってしまった。それなりの暗さを保って寝る条件をそろえていた車内が、場末のスナックのような赤紫のライトが煌々と灯る「非睡眠的空間」になってしまい、焦る筆者であったのを思い出す。


25年の間に、シートは「思いっきりリクライニング」だし、3列シートで横も前後も間隔はたっぷり、毛布も付けます、スリッパも付けます、というずいぶんと進化した車内であった。


早朝の新宿に到着し、大江戸線で一駅のはずの東京道場であったのだが、今までは山上くん先導の元に乗り降りしていたため、実にあいまいな記憶しかなかったことに気づいた。


新宿から一駅のはずが、確かこの駅名であったはず、という駅までは乗り換えないと行けないじゃないか。都庁前なんてしらんぞ。絶対に乗り換えはなかったのであるが、駅名は間違いなくこの駅だったぜ、という東新宿まで乗り換えていき。下車すると、地上は見慣れた景色で無事到着。


そうなのか、今まで新宿から乗ったとばかりに思っていたのが、新宿西口から乗ってたのね。


午前中心道の今後のミーティングの予定が、快の学校の次年度の計画の打ち合わせでほぼ終了。


お集まりになった東京快の学校の快氣法の初級トレーナーのみなさま方に、最新の技法をご披露する。快氣法とニコニコだけで、このレベルのことができるようになりまっせというのを、次々に繰り出し、A部くんを知的興奮身体的混乱上質のパニックへと追い込む「悪いおじさん」であった。


面接ののち、河野先生以下、山上くん、ねねさん、S生さん、A倍くんなどと噂の韓国料理「オアシス」へ。


「うう、うまい」

ロングラン宴会の後、再び、新宿のバスターミナルへ。


今度は和歌山行きの夜行バスである。昨日から明日朝までの32時間ほどの間に、18時間はバスに乗っている筆者であった。