747話 山椒も胡椒もぴりりと辛い

K高校のI藤先生からメールが入った。

【山椒以上に辛かった】とのタイトルである。

先週の金曜日にちらっとだけk高校に顔を出した。奇跡?(なんて言ったら生徒諸君に失礼だよね)の予選トーナメント優勝、決勝トーナメント出場おめでとうと言いたかったからであった。


その際にI藤先生とお話したところによると、決勝トーナメントの相手は公立高校とはいえ、「公立の雄」と称してもいいような相手なんです、とのことであった。勝ち目というのは非常に非常に薄く(しかし、O方キャプテンは二つ勝って近畿に出る!との硬い決意であったらしいが)公正に客観的に観れば「まず勝てません」という下馬評だったらしい。


おそらくそれは「アントニオ猪木対高校レスリング部」とか「朝青龍対前頭十二枚目」というようなものだったのであろう。

少しぐらいは相手をあわてさせるようなそんな展開を起こして、勝てないまでも「山椒は小粒でぴりりと辛い」を相手に味あわせてやりたいもんです」とI藤先生は語っておられたのである。


土日にI藤先生からメールがあるかな?とふっと思ったが、両日ともなかったので「ああ、そうかあ、今年は終わってしまったのね」と独り決めしていたのであった。


そしたら・・・・勝っちゃったのである。


公立校の雄に、2−1の辛勝ながらも、見事に勝利を得たのである。


おおお、高校レスリング部がアントニオ猪木に勝っちまった!

したがって「山椒は小粒とぴりりと辛い」どころか「超檄辛!」「スーパー辛口」の結果となり、その結果がメールのタイトル【山椒以上に辛かった】となったのである。

めでたい。

しかしながら、近畿大会出場をかけた二回戦では、「選手全員がテニス特待生で〜す」という某私立高校には残念ながら勝てなかった。


二回戦で負けたからといって、それが彼らの勝利の価値を損なうものでは決してない。


楽しかったろうなあ。


お聞きする試合展開は、決して楽勝であったとは言えない展開であったらしい。いわば粘りに粘り、延長につぐ延長、とでもいうような展開の中で、ふだんなら出ないようなものがぐわりぐわり出てきて、結果としての勝利、というような展開であったようである。


単に「勝ち」という結果ではなくって、そういうめったにできないような「なんじゃこりゃ体験」がとっても良かったね、と思う筆者であった。




山椒といえば、カンボジアンE角さんに頂いた「カンボジアの特上胡椒」が、ついにその秘密のベールを脱いだのであった。


筆者宅の夕餉に珍しく並んだステーキなる高級食材に、重々しく丁重に振りかけられた「カンボジアン胡椒」である。


口に入れた瞬間はさほどの感触は無いのであるが、時間とともに清涼感をともなう不思議な香辛料的風味がじわじわじわじわと広がる感触は、ラーメン屋さんの食卓に置いてある「一般的な胡椒」では決して味わえない奥の深いものであった、と家族一同感動したことを、この場を借りてテラルネッサンスのご一同さまにご報告申し上げる次第である。


カンボジアン胡椒もまた、小粒でぴりりと辛いのであった。