754話 六子の魂 四十六まで 2
TSUTAYAへ行き、「青春歌年鑑」なるシリーズをしらみつぶしに探すと「1960年代総集編」に収録されていた。
さっそく聴く。
じ〜ん、ほろほろほろほろ。
まさしく「不確かな思い出の一曲」そのものであった。
しかし、あらためてフルで歌詞を味わうと、その美しい歌声とやさしいメロディーとは裏腹ななかなかのメッセージソングじゃないの。
「♪遠い世界に 旅にでようか
それとも赤い風船に乗って
雲の上を 歩いてみようか」
メルヘンでんなあ。
さらに
「太陽の光で にじをつくった
お空の風を もらって帰って」
と続く。メルヘンでしょ。
しかし、西岡たかし氏は、ただのメルヘンフォークではなかった。
続く歌詞を聴いてぶっとんだ
「黒い霧を 吹き飛ばしたい」
でぇええええぇええ!
その後歌詞は着々とその本性をあらわし、力強いメッセージが続々と登場する。思い出の一曲のさわやか〜なイメージとはずいぶん違う印象の歌詞ではあったが、筆者すこぶる気に入ったのである。
なんせ
「これが日本だ 私の国だ」
なんて歌詞まで登場するのである。(といっても右翼的歌詞ではまったくないので、念のため)
選定の基準も選者も不明であるが、青春歌年鑑が選ぶ、1960年代総集編40曲の中に収録されるからには、そこそこ時代を代表する一曲であったのであろう。(続く)