795話 笠岡へ 2

7日

毎週通っている神戸のMさんは、午前中に毎日、お掃除のアルバイトに行っている。疲れてしょうがないという。


Mさんの掃除作業中の体の内面がどうなのかを教室で再現してもらったら、体感を読みとると背中が丸まってみぞおちが硬くなっている。これでは体を起こすのは嫌になるはずなので、窓ふきの上の方は嫌じゃないかと聞くと、しんどいから手を抜いてやっている、という。


Mさんは、アトピーが改善して、ハワイでビキニで日光浴をしている、というキーワードでおっそろしく体が整うので、「ハワイ、ビキニ」と口にしながらお掃除をしてもらうと、みぞおちの閊えは解消し、丸まりは消え、背伸びまでして窓を拭き「ぜんぜんしんどくない」と言う。


先週、50点で来て70点で返ったMさんであったが、この日は「ハワイとビキニ」で、先週よりもしんどい30点で来て、過去最高の85点で帰られたのであった。



成功セミナーの目標は普通「実現させる」ためにある。実現しないよ、何て言ったら、成功セミナーに大金を投じる人はいないだろう。


筆者の「願望・目標」は「実現させるため」という位置には置かない。


筆者が考えているのは、「どの目標や達成イメージ」を描いたら、最もからだ(心理面も含めて)が整うか、ということを使って身体調整の可能性を広げる、ということである。実現をめざしてはいない。少なくとも最上位には置かない。


体が思わず統一してしまう目標や達成イメージを探そうよ、と言っているのである。


それがたとえば仕事上の可能性を縮小することは考えにくい。まっとうな仕事である限りは仕事上の成果を促進する可能性は大である。