796話 笠岡へ 3
どんなに首から上がわくわくしていても、実際に行動するのは首から下である。その状態で目標が達成しても、渇きは癒されていないと推察される。
首から下がわくわくして日々が過ごされば、目標の達成以前に、すでにご褒美は日々もらっているのである。疲れにくく、プレッシャーを感じにくく、ストレスに悩まされにくく、爽快感を感じ、充実感にあふれる。そういう日常にチェンジしていくようなセミナーをやったらいいね、というような考えは、西へ向かう車中ではまとまっていなかった。
O澤さんをホワイトボードがわりに、聞き役にしてしまって、さんざんしゃべり散らした結果まとまったものである。
インスパイアO澤さんによって、インスパイアされた筆者であったた。お疲れさまでした。
俊さんの家につくと、リビングに見慣れないものが。
「乗馬マシーン」である。
奥さんのふみさんは、自然の草木を使った薬効手染めの衣料を作るのが日々のお仕事なので、腰痛に悩まされているのだそうだ。それで腰痛解消のためにどなたかかが持ち込まれたのであろう(俊さんが買ったとはとうてい思われない。酋長はそういうものには最も縁遠そうなのである)
「良くなりました?」
「ぜんぜん」
調整させてもらうと、幸い「不思議なのりのりダンス」がご披露していただけるほどに回復した。
お礼にと和紙で四角く包まれた何かを頂く。さっそく開けてみる。
おおお!、あかねで染められたシルクの越中ふんどしである。
筆者の『勝負下着』として、大切に用いさせて頂くことにする(けど、いったいいつ勝負するんだろう)