812話 シンクロニシティを起こす方法 前編

先日T中さんに近況を尋ね、8月のスケジュールを連絡するメールを打っていて、その数時間後に、当のT中さんから一月半ぶりに予約のメールが入った。


おおお、素早いお返事と思ったが、よく考えたらメールはまだ打っただけで、送信していなかった。用件を聞く前に返事が来るという「逆ヤギさん郵便」とも言えるすばらしい現象である。白ヤギTさんたら、お手紙が来る前にお返事書いたのである。


最近の研究テーマの延長線上で「そろそろ一度アレキサンダーテクニックって何かかぶっている部分がありそうだし、ちゃんと体験してみてもいいかな」と電車の中でふと思いつき、その後、道場に着いてパソコンを開いたら「Y澤です。今度ホロンの講座に知り合いが行きます。アレキサンダーテクニックの先生でもあるので、何か参考になればと思います」とメールが来ていた。


S川さんと話をしていて「チューニングのラインをこういう風に改訂しようと思っているんですが」と話を向けると、そのラインというのは、まさにこの数日、S川さんが骨格筋肉の解剖体験より割り出したラインとほぼ一致していたという。


おおお。


こういうのをシンクロニシティと言うらしい。意味のある偶然、というような訳になる。


筆者は、こういう現象を見聞きしたした他人が「シンクロだわ!」と騒ぎ立てるのはあまり好まないが、自分自身に起こったことに関しては「うむうむ、意味のある偶然なのぢゃ」と評価するのである。(まことに勝手であるが、そう感じるものは仕方がない)


だって、シンクロニシティだ!とした方が精神衛生上よろしい。生理的にも肉体的にも好回転を生むのだから、使わない手はない。


T中さんからメールが来た時「ちぇっ、先方から来るんだったら、さっきのメール打たなきゃ良かった」とぼやき、Y沢さんからの紹介のメールに「お節介な」と否定的に受け取り、S川さんとの意見の一致に「先を越された、おもんねぇ」などと受け取ってしまうようでは、いかなる運気も避け、ツキは落ち、福の神は逃げ去るであろう。


やはりこういう「何かある」と感じることが可能な出来事は大事にするべきである。


「これは意味のある偶然である。偶然の必然である。今はまだ形をなしていないけれども、これは大事に育てて大輪の花を咲かせなければなるまい」、と受け取れるような事が起こるからこそ、そう思うこともできなるのである。せっかく起こった以上は、そう扱わないともったいない。


そして、筆者は忽然と「シンクロニシティを起こす秘訣」というのを思いついたのである。