813話 シンクロニシティを起こす秘訣 後編

そして、筆者は忽然と「シンクロニシティを起こす秘訣」というのを思いついたのである。


精霊と交流するとか、宇宙と交信するとか、グレートサムシングと波長を合わせる、というような答えを期待したあなたは著者を誤解している。


筆者自身は、そういう「解明されていないけれども、何がしかのある力やはたらき」というものを否定はしていない。感じないこともない。そういうのを使って仕事をしているとも言える。が、私以外の他人が、人に対して『精霊と交流するとか、宇宙と交信するとか、グレートサムシングと波長を合わせる』と言う場合は、ほとんど信用しない。(皆無ではない)


シンクロニシティを起こしたくば、どうやればシンクロニシティを起こさないでおけるかを考えればよいのである。


今回、T中さんから「逆ヤギさん郵便メール」が届いた際、筆者は他にも合計16通ほどのメールを書いていたのである。


Y沢さんから紹介をアレキサンダーテクニックの先生の紹介を受ける前には、「この先生ならいいかなあ」というアレキサンダー以外も含めて複数の身体調整やら武術やらの先生やスキルを思い浮かべていたのである。


S川さんと意見の一致をみた研究テーマ以外にも、ノートには10や20の研究テーマはメモされているのである。


それらの用意を何も行っていなかったら、シンクロニシティは起こそうとしても起こせないのである。


要するに、みずからアクションを起こし、アンテナを張り、勉強し、研究する。その網が大きく張られ、網の密度が密になるほど、シンクロニシティを起こす確率は限りなく高くなる。あーなんと当たり前の答え。


『みずからアクションを起こし、アンテナを張り、勉強し、研究する』ことなしに、ひとり『精霊と交流しよう、宇宙と交信しよう、グレートサムシングと波長を合わせよう』とうんうんやっている人がいたら、きっと気持ち悪いのである。


しかし、ついていない時、うまくいかない時、結果がなかなか出ない時には、えてしてそういう「それさえやればうまくいく」がほしくなるのである。


でもよく考えたら、日常よく見る「神社で自分の利益だけをお祈りしている様」も似たようなもんだわね。


しかし、神頼みに関して、私がもし神様なら、そういう人に御利益やシンクロを与えたいとは思わない。しかし他者のために懸命に努力しながら、力及ばずの人がいたならば、その人が祈ろうと祈るまいと、喜んで助けたいと思う。


こうとらえるなら、祈りとは儀式ではなく、行為である。