880話 頭よ、休め 

先日の「追憶ノ青いバラ」の稽古での話。


下原トムが「一人語り」の稽古をしていた。一生懸命セリフを言っているが、そのセリフからはこちらの体に感動が伝わってこない。

ところが、彼の内面をスキャンすると、セリフの一言一言に、ものすごく動いている。


八木氏によると「演技の第一歩は相手のセリフを聞くこと」なんだそうだ。


ってことは今、下原トムは、出力に一生懸命になって、自分の出したセリフを聞いてもいないし、自分の内側の声も聞いていないってことだ。


彼に一言一言区切ってセリフを言ってもらい、その一言に彼自身の体がどのように反応して動いているかを手を添えて動かしてみた。


トムは「気持ちがいい、納得する」という意味の感想を言う。そうやって内面の声、体の声に耳を傾けてもらった後で、自分のセリフを体全部で聞きながら再度演じてもらったら、・・・おおお、迫ってくる、迫ってくる!


続いて大浦ローラのラストシーンの内面も出してみる。・・・と二人が空間で響き合って感動的な場面へと変わった。


S川さんが前にメールで言っていた「脳ってのは、自分が今何をやっているかを把握するだけでええのんとちゃいまっか」との指摘は、以上のような(って実は他にもたっくさんあるけど)考察を持って深く同意する筆者である。


ところで、大浦ローラのチラシの写真は4月中旬のものである。目鼻立ちの整った彼女であるが、この頃は「薄幸の美少女ローラ」ではなく、「幸福に太ったローラ」であった。


5月に整体を受け始めて、3週間で3キロ余分なお肉かそげた。その後の細かい展開は知らないが、8月現在6キロスリムになり、見事に「薄幸の美少女ローラ」になっている。ちなみに彼女はレコードダイエットをした訳ではない。