885話 初日

「追憶ノ青いバラ」公演初日である。


当初は役者のチューニングをやれる範囲でやっていくべ、というスタートであったが、そちらの方も徐々に本格化していった。


また、途中「役者をより自然な状態にリセットチューニングするのが必須であれば、観客もまたそういうリセットが必用なのではないか」と口走ってしまったため、開演前の「前説」の時間に、観客のみなさまをほぐし、ゆるめ、集中度を高める役回りを引き受けることにもなっている。


朝から整体武術・整体・ヨガ・整体といつものスケジュールをこなして、ただし夕方の整体を早めに切り上げて、そそくさと中津のピエロハーバーへ。


途中、6キロダイエットの「間に合った薄幸の美少女 O浦ローラ」の餌付けのためにトマトを買い、その他役者のみなさまの気分転換のための「ヤクルト」などを差し入れに買い求める。


あっ、O浦の6キロダイエットばかり書いたけれども、牧さんは、30代の実年齢で、20代を演じるために、8キロ体を締めたそうだから、牧さんの方が上手であった。


先月末には、わずか20数名の予約しかなく、一公演あたり、出演者と観客がほとんど変わらない人数という事態が危ぶまれた集客状況であったが、関係各位の努力により(道場会員で来て下さったみなさん、ありがとうございます)この土曜日は、座席を追加しても入りきれず、数名の方にはやむなくお帰り頂くという嬉しい集客、帰って頂いた方には申し訳ない状況となった。


芝居のできばえは、「実質一ヶ月の稽古でよくぞここまで」という思いと、「今がとりあえず80点だと仮定すれば、120点、140点の世界がどういうもので、それは行って行けないようものではないぞ」というそういう実感だったとお伝えしておこう。


アンケートの回収率も、その感想もおおむね好評であった。


それにしても、ここ最近は、ずっと単独でする仕事が中心の生活なので、こうやって多人数でよってたかって創り上げる作業というのが楽しい。