909話 で、何が言いたいの?

チューニングの稽古会。


氣の整体(チューニング)の稽古なので、そういう「氣の稽古」が入る。


しかし、ちまたにあふれる「氣のメソッド」のイメージと実際に自分がやって「相手に変化や効果をもたらすやり方」には、どうも差違があるように思う。


「氣を入れる」とか「氣を送る」ということは、やっていると言えばやっているが、きわめて一部である。


では何をやっているかというと「聞く」「聴く」という表現に近い手当である。(ほほえみの湯に行った話の際の、ややこしい文章の中にあった氣の話とは言うことが違うような氣がするが、氣のせいである)


相手の全身を感じて「どうでっか?」とやると、相手の方の全身がゆるみ、深い呼吸になるし、ピンポイントのこわばりに「どうでっか」とアプローチすると、言い分を言う前に、ぽにょんとこわばりがはがれ落ちる。


カウンセリングだって、話し合いだって、相手の言うことを聴く体勢が取れていれば取れているほど、うまくいくようである。相手を説得しようとか納得させようというのが強いほど、かえってこじれていく。


「黙ってまず俺の言うことを聞け」というのと「何でもいってごらん」とほほえんでいるのと、あなたにもたらす変化はどちらの方が大きいであろうか。


そうやって、相手の方が勝手に自分に(生命に)もっとも都合良いように変わっていく方が、こちらだって疲れないし、時間も短くなるし、うぬぼれなくって良い。肉体的にも経済的にも精神的にもいいのである。