916話 あさちゃん洗脳作戦 前編
8日
興奮の『鳥久』での一夜から明けた。
鳥久のT中ママからメールが入っていた。昨日に本年度売り上げ新記録を達成したとのことである。
開店前の4時50分に鳥久に突入した『自己チュー軍団』が、驚天動地の牛飲馬食し、至極満足したのが6時30分、その後茫然自失・陶酔恍惚の30分をはさんだ7時にはカウンター席も満席であったし、自己チュー軍団が店を後にした時には入れ替わりにまた一団ご入店であった。
新在家駅周辺の通行人をも引きつける『自己チュー軍団』の共鳴力場の創造力によるものであったか、鳥久の実力が周辺住民に認知されてきたのか、はたまた両方か。
久々にすずちゃんの散歩に和歌山城へ。尺八持参で出かける。
帰宅後「TSUTAYAに10時開店までにCDを返さないと延滞料金を取られる!」というひろきと、次回のダンスの練習曲を借りに行きたいというあさちゃんとTSUTAYAに出かける。
映画「バルトの楽園」およびCD「Best of Blondie」を借り、自動車の中で「Call me」をエンドレスでかける。
これは、あさちゃんを洗脳するためである。先日のダンスの発表会での曲目の中に一曲「アバ」の曲があった。
20数年前、松江市西川津町の久保田の喜雄じいさんの畑の敷地の一角に立っていた久保田下宿には「アバ」があった。あさちゃんが踊ったのはリメイク版で歌っているのはアバではなかったが、おじさんとしては、25年の歳月を越えて、きわめて乗りやすい一曲であった。
やはり娘には親父お気に入りの一曲で踊ってもらうべきである、と確信を深めた親父であった。そこで第二弾が「Call me」である。
♪から〜 み〜 ゆあ から〜 べいびぃ
こーる おん みー ゆあ こーる ♪
と、一回かけては「どうや、ダンス魂に火がついたか?」
と問い、
♪こ〜る み〜
かむ あろんぐ あんど こ〜る み〜
こ〜る み〜 えにい えにいた〜いむ
二回かけては「どうや、振り付けハートは盛り上がって来たか?」
と問う。もの4回もかけたらイズミヤについてしまった。う〜ん、洗脳には数が足りなかった。あさちゃんに問うと、「いいかな?指数」はまだ「30%」とのこと。
いえいえ、お父さんはあきらめていませんよ。しょうもない曲でも数聞いているとなんとなくなじんで好きになってしまうのである。しかるにこれは20年の歳月を経て色あせることなき名曲である。R35にだって入っているのである。(つづく)