926話 軽い

体調がいいのは確かだし、足が軽いのも確かなのだけれども、駅やら地下街を歩いていて、他の人の歩くスピードよりも遅いのが気になっていた。


体が軽いというのは錯覚で、実はさほど進歩が無く、実は衰えている?と決めつけるのには、抵抗がある。その考えは納得できないぐらい調子がいい。ではこの歩く遅さはなんだ、という問題にけりが付いた。


アダプタが接触不良のため、ノートパソコンがリビングのコンセント前から動かせない絶対安静になったために、いつもはカバンに入れているパソコンがない。パソコンを入れるのに大型のソフトアタッシュを使っていたのであるが、カバンが大きいと書類やら本やらを入れる。必用だと思って入れるのには躊躇がないが、その後不要なものを整理して出すというのが後回しになるため、重量は増えるばかり。


さらにソフトアタッシュをショルダーに背負っていると、片側ばかりが重くてバランスが悪いので、布の大きな袋に着替えやらなんやらを移し、両肩で担ぐようにしたら「あ、バランスいいやん」となり、今度は二つのカバンに入れ込むので、さらに重量は増していた。


パソコンの故障で持ち運びができないので、せっかくカバンが軽くなったのだからと、荷物を必要最小限の手帳とノートと文庫本程度に絞って小さい紙の袋に入れて移動してみた。すると、まあ体の軽いこと、足取りの軽いこと。つまり歩くのが遅かったのではなく、荷物が重すぎたのだった。


ううう、歩くだけで幸せだ。