985話 あるけどない 

水飴化した体のことを再々書いているが、ここ最近はそれが、さらに「体がない」に近づいてすこぶる気持ちがいい。


もちろん、ゼロではないけれども、お肉や塊がぐっと詰まった感じがなくて、輪郭はあるけれども中身がない。「釣り合っているという安定感」と「軽やかさ」「軽快さ」の方が圧倒的にある。


無い袖は振れないと言うけれど、「ない肩は凝れない」ということを実感した。


無い腰ももちろん痛められない。


なのに、いったん動き出すと、実にのびのびと自由自在に勝手に動く。疲れない。


「ほぐれた」ではない。ほぐれたというのは、まだまだ「ある」ということである。


「無い」と表現してけれど、それは「それまでに比べると圧倒的に無いに等しい」ということで、まだまだあると言えばある。しかし、「イメージすりすり」で、日々ぼろぼろとはがれ落ちていっていることも感じている。


「はからいがない」に近づけている作業であるとは実感している。


どこまで無くしていけるんだろう。楽しみである。