1011話 入力工夫の恩恵

昨日、


今、この原稿を特急サザン指定席」で書いている。


画面に集中すると、悪しき方向に行き、原稿がはかどらない。画面を目に映しながら、窓の外の景色が視野に入るようにすると、指はとたんに軽快にキーボードの上で踊る。はかどる。目も疲れない。


と、書いた。これが午後1時半ごろである。


このとき「気づいたこと」がヒントになって、いきなり「視力回復」しつつある昨日の午後であった。


筆者の視力は、裸眼で0.4前後。両眼になると0.7を越えるので、運転免許証にはめがねの限定がつかない。しかし、夜の高速道路で慣れないところを走る、というような際にあぶないなあ、と思って、めがねだけは一応作った。その程度の視力である。


最近は、その視力がずるずると落ちてきていた。測ってはいないけれど、2ポイント以上は下がっていたような気がする。


それが、昨日、その「気づき」によって目の使い方を「いささか」変えたところ、いきなりピントが合いだした。もちろん、全ての時間ではなく、もとにも戻る。しかし、ピントが合う時間が一瞬にとどまらず、しばらく継続する。また気がつくと見えづらいが、「コツ」を使うと、またしばらくはっきり見えるようになり、あきらかに「先ほどまでは見えなかったはずのもの」がどんどん見えるようになっていたのである。


この「気づきから来た目の変化」を上手に育てていけば、けっこうちゃんと視力回復しそうだなという手応えである。



さて、『親父ドラゴン桜』の秘密のトレーニングの一つは「はやく本を読む方法」というものである。


15年ほど前に一度試み、けっこう成果を上げたところで、「本格的に超絶の域に挑む」という前に満足してやめてしまっていたトレーニングである。それを復活し、伝授した。


ひろきの読書スピードは文庫本で一分に2ページほどであった。


こんなに遅ければ、問題文を読むだけで時間を浪費している。見直しの時間だってない。同じ時間教科書を読んでも、量がこなせない。おそらく集中力もつづかない。


昨年末から彼に課したトレーニング(っても一日20分もない)によって分速8ページまで速くなり、そこで伸び悩んでいる。実はこれは筆者も同じであった。


「気づいたこと」をヒントに試みてみると、筆者の読書速度は一気に分速12ページにまで伸びた。一気に「五割り増し」である。そこで自宅にメールし「コツを見つけた。2割は速くなるぞ!」と予告しておいた。


五割と書きたかったが、五割と書いて二割しか伸びなければ値打ちを損なうし、二割と言って三割〜五割上がれば一気にやる気が増すではないか。


夜の11時に帰って「伝授会」を開始。


といっても「読む際に○●をしながら読むのぢゃ」と言うだけである。


さて結果。


ひろきはいきなり20ページ読んだ。もちろん、分速二ページの頃と『理解度』は落とさずにである。再度やったら21ページである。5割どころではない。倍以上の伸びである。


うっ、若い「脳」の「能力」を見くびっていた。コツさえつかめば、46歳のおじさんの脳(筆者ね)よりも伸びがはやい。見込みが当たって嬉しいけど、ちょっと悔しい。


そこで今度は英語を試みる。ほぼ1ページ分ある長文の問題文を八割方読めた。再度試みると彼は、読みながら


「ほげ〜」


と驚きの声を上げた。


「意識よりも先に目が、目が、目が先に勝手に読みよる〜。こんなんはじめてや〜」


1ページの長文をまるまる読んで、時間があまった。



この「コツ」は、筆者にとっては、そのまま身体操作のコツとなるであろう。今後の整体、武術練習が楽しみである。それから、すこし、その兆しのある「視力回復」にもきっちりつなげていきたいものである。


今日も一日、楽しかった。明日もおそらく楽しい。一日がはやい。