1039話 H高校 今日が最後の授業

今日は、H高校・演劇クラスのゲスト講師の最後。


左右分割役割分担論にもとづく「目をつかった身体チューニング」を伝える。


「優しく受け入れる」のに相性のいい左目。しっかりと見つめるのに性能のいい右目。


O本さんの目がみるみる大きくなる。


K本さんも、どちらかと言うと「伏し目がち」なのが、みるみる大きくなって、目の中に「少女マンガ風星」が3つほど現れる。


目をチューニングしながら「見つめあい交流訓練」


I倉さんとペアを組んだO沢さんが「負ける〜」と目をそらす。


体癖を読むと、Iちゃんは骨盤閉型。集注には長けたタイプだから、なかなか太刀打ちできにくいよね。


A野さんとS田ペアが左目で「受け入れあう」と、にこやかな少女たちなのだが、右目でにらみ合うと「デス・ノート」VS「1975年ごろのスケバン」になる。見事である。


左目で「相手を受け入れあう」ところで生まれる「濃密な気の空間の中心」(リレーションスポット)なども実施。モデルのD井さんと左目同士で見つめあって、スポットに「ほらっ」と一声かけると、ドッキューンとハートを言葉の「響き」が貫くのである。


本当に言葉が体に届いたことに不意を突かれた彼女は、本気で赤くなってどぎまぎしているのである。おそらく八木さんの伝えたいという演劇というのは、作り事ではない今のようなものであると思う。筆者がお邪魔するのは今日が最後だから、この「体の手ごたえ感覚」をしっかりと受け取って欲しいものである。


先日の「抱き合って左回り」なども(同性同士で)しっかりと実践。左回りなら「ひし」と抱き合うのが、右に回すととたんに離れてしまう。


感情表現を「顔」だけでやり、かつその表現の幅が非常に小さい。そこで、重心の左右、前後、腹部の左右焦点と虚実、胸周辺の圧縮開放、視線と視野などを組み合わせて「その感情ならこういう体相になるでしょう」体験。


怒れないMちゃんも、体だけはしっかりと怒れた。


さらにカチューシャによる「頭部反射点による一時的体癖体験」なども行う。


半数の10人ほどを「上下型 1種」にして舞台に上がってもらい、残る半数が客席から観察。上下型の集団、「静かなること林の如し」


ところが前後型5種に切り替えたとたん、「にぎやかなること、沸き立つ湯のごとし」となる。


日ごろ寡黙なSD田さんが笑ったり、隣の人を小突いたりしているのが客席から大うけ。


「わっ、SD田さんがしゃべった!」


「ええっ!SD田さんが笑った!」


などと楽しく二時間やらせていただきました。授業終了後には英語担当のH矢先生の「16歳からの歴史ある腰の痛み」を「ピポパ」とチューニングして今年度のゲスト出演が終了。


M安せんせ、ならびにH井先生、毎回ありがとうございました。そのほかH高校のその他お世話になりました関係者の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。


それから生徒諸君。昨年分を合わせて5回、こちらも楽しませてもらいました。


もちろん、中身はこの道30年の「厳選素材」を提供しましたが、いかんせん「筆者一生かけても追いかけきれない」分野のものですから、みなさんに8時間や10時間で提供できるはずもありませんし、またそれほどに演劇だって底の浅いものではないと思います。


しかしながら、おそらく「他ではまず学べないもの」は、体験してもらったと思います。


願わくば、それらがみなさんの心底深く沈みこみ、将来花咲くことを願ってやみません。


機会あればまた会いましょう(^-^)