1040話 自分に追いつけない今日この頃

左目は広角視野である。


右目優位左脳型・一点見つめて目が疲れる、という目の使い方をしていた筆者であるが、最近は左目横にくるくる回転誘導によって視野を広げている。


もちろん、右目は前後上下方向くるくる回転にて「焦点しっかり合わせましょ」訓練も「見えてくるのが楽しい」ので怠りない。


今日は、特に「左目トレ」がうまくいったようで、視野がすこぶる広い。広角な視野は「色彩感覚」と相性がいいようである。日が暮れてから駅まで15分ほどあるいたが、くっきり見えかける視界の、その広い視野の中で、ネオンや看板や明かりなどのさまざまな色の光が、もうほんっとにきれいできれいでたまらなかった。


今まで夜は「暗いもの」と思っていたが、左目の視野を広げて広角で見ると、なんと美しい光の世界!なのである。


ああ、びっくりした。


視野ひとつでこんなに変わるんだ。


今、「左右分割役割分担チューニング」「右目と左目」「右脳と左脳」「右半身と左半身」「速読」「視力回復」「バッティング練習」「Y田君のテニス」「対人関係と演劇」などが渾然一体となって、らせん状にうごめいている。


それらが相乗しあって、自分でも追いつけないぐらいに発展している昨今である。


目のことに絞ると、視力低下を自覚していた時期に、速読のトレーニングを再開することで視力回復の「きざし」のようなものが見えてきた。速読の「壁を突破」するのに、「自然体チューニングの左右分割論」が気づきとなって、右目左目右脳左脳関連が見えてきた。


速読の限界突破に向けて、左右別メニュー眼トレーニングをやっていて、現れたのがこの「びっくりするぐらいきれいな夜の景色」というわけである。


読者の中にも筆者同様『速読』に興味をお持ちの方は、少なからずおられるものと思う。多くは「能力を開発して」「逆境から脱却し」もしくは「成功するぞ」「勝者になるぞ」というのが、その根底にあるものと思われる。あからさまではないにせよ、多かれ少なかれ筆者だって同じようなものである。


しかし、そのトレーニングによって得たものの大きなひとつが、決して「他者との比較」「他者との勝負に勝つ」ことによって得られる類のものではなく、「ただ景色を見る」という「なんでもないこと」が、「とびっきり上質の体験になって目の前にあらわれるという満足感と幸福感」であったというところがうれしい。