1041話 炎のあれこれ

色々と気づきの多い毎日であるが、これらは決して筆者の独創ではない。


ほとんどのことに先人がおられ、幾多のヒントを頂いている。しかしながら、自分で問題意識と仮説と検証を日常の中でくり返していると、かつて先人の記されたものを読んだ時とはまったく違う様相で目の前に現れてくる。


身体チューニングのための仮説が、速読の能力を高め、脳の機能に気づき、それが演劇やスポーツへと応用できというように、筆者の中に取り込まれたものが化学反応を起こし、自分でもついていけないほど、矢継ぎ早に「なんと、こうすればよかったんだ」というものが現れてくる。


最近好調のバッティングである。最新の最高成果は、20球中クリーンヒット10本、うち8本がネットに飛ぶ、という成績であった。もちろん、球技不得手の筆者の人生の中での手ごたえ自己ベスト更新である。


結果としてその打法は空手の宇城憲治先生監修のバッティング理論を小林信也さんが書かれた。


「誰でもたちまち130キロが打てる武術打法」


に紹介されている「打法」に限りなく近づいている。


ただし、打席で意識している中身は、その本の中で紹介されている中身とは異なる。自然体チューニングの最新版『足首、股関節、肩関節、顎関節、目 左右分割外回転前回転くるくる誘導法』によるチューニングである。


最近の中ではもっとも手ごたえがある方法であったので、今週二回目になるがバッティングセンターへ。


ところが、3ゲームやっても20球中3本程度しかネットへ飛ばない。


たまにネットまで飛ぶと手首が痛い。つまりインパクトの瞬間、そこで統一が途切れているということになる。無理がかかっている、というシグナルである。


そこで4ゲーム目に手首の部分に『左右分割外回転前回転くるくる誘導法』をかけてみた。名前が長いので「くるくるチューニング」と呼ぼう。まだ長いので「くるチュー」と略す。


なんか良くなってきた。


そこで「くるチュー」をバットの先端まで横回転縦回転を通してみた。ら、いわゆる「芯」が今どこにあるかが感覚としてとらえられる。その「芯」ちゃんがボールちゃんに会いたがっているということがひしひしと感じられた。


加えて、バットが中心になって、こちらの身体は「そのバットのお仕事を支え、果たさせる」という関係の転換が感じられた。


それでますますせっせとバットまで「くるチュー」をかけていたら、野球マンガで見たような「バットがめらめらと炎を上げて燃えている」という感覚が生じてきた。


その「最高に集注した状態」というのは3球分ぐらいである。しかしながら、この状態を持続するならば、あらゆる球技においてその選手のパフォーマンスは飛躍的に向上するだろうなあ、という嬉しい実感を得た。


「炎のバッティング」と名付けた。


この時の結果が『20球中 10本クリーンヒット 8本がネット』である。



といような手ごたえで土曜日の一日。


朝の武術クラスでは「左右の役割の違いを技に活かす」「右からかける時と左からかける時は違う」ことなどを紹介して深める。


昼からのヨガでは「左右の一歩の歩みの中に、五つの腰椎に対応する全ての動きが含まれているのだ」ということに気づく。


そこで、ヨガの1ポーズの中に、歩行時に使われる腰椎4,5,1,2,3番対応の動きを全て流れに盛り込むということをやった。


こんなにやわらかく動いているのに、なんでこんなに手ごたえがあるの!



夜の整体教室には、K大の演劇専攻で、日舞の家の息子であるゆーじ君を呼ぶ。


左右分割分担論を説明し、5つの腰椎の並びに基づく「歩行というもっとも基本的な動作の解析」を解説。


それらに基づく実験や技術を行う。


テニスのコーチのY田君。過去3回受講したのみ。


27日の自然体チューニング一回の受講の翌日の月曜日、はやくも「サーブの音が違います!」といういことで火曜日の整体教室にもやってきた。

火曜日の朝から、それまでの「自然体チューニング 左右対称式」を廃止、「左右分割分担方式」いフルモデルチェンジをされていたのである。


が、それを受講した後の彼は


テニス教室の生徒さんへ、打ちごろの軽めのサーブを打つ程度の力で打っているにもかかわらず「体感的には10キロはサーブがはやくなり、相手が反応できない」レベルまであがり、「苦手なボレーが苦もなく身体が反応し」という状況になったそうだ。


ということで過去3回受講しての土曜日。


上記バッティングの話をし、彼に「炎のテニス」を伝授する。


すると彼の素振りは「まさにこの一点でボールをとらえている」という「インパクトの瞬間が見ている方からもはっきり分かる」「怖い」素振りになった。(つづく)