1082話 速読打法

探偵ナイトスクープで「速読の先生が150キロの剛速球を見事打ち返す」というのをやっていた。

なんというタイミングの良さだ。


おそらくふだんうだうだとテレビを見ることのないと想像されるデストロイヤーS川氏もしっかり観ていたと連絡があった。野生の勘が、彼に「観るべし」のメッセージを告げたのであろう。


彼もこの番組の暗示する事実を見過ごしにできなかったのである。ゆえにくどくどとメッセージはついていなかったが「観ましたか?」のメールが来たのである。


被験者は女性のインストラクター。ガイド探偵は焼き肉屋さんと兼業のタレント「たむけん」で、彼は「少年野球」の経験があるらしい。


彼がバッターボックスで150キロの球(バッティングセンターですけど)を体験。


「はやい、こわい、見えない」


と言う。


速読の先生


「二三球観れば打てると思います」


と自信たっぷり。


二三球目慣らしをすると、一球目はゴロで打ち返す!二球目もゴロで打ち返す。つまりいくぶん押されているとは言え、ちゃんと当てているのである。


三球目こそ空振りがチップだったが、四球目は流し打ちでジャストミート。ライナーが右方向へぶっ飛んでいった。


番組の中では「阪神タイガースさん、速読どうでっか?」


とお笑いでまとめていたが、見過ごしにはできない筆者であった。


速球に強い選手のことを「うん、彼は動体視力がいいらしいからね」などとまとめてしまって、それじゃあ、そうでない選手はどうしたらええねん、というようなことを手つかずで見過ごしにせざるをえないのがスポーツの世界ではないかと思われる。


ほとんどの練習は、プレーそのものの分解反復、つまり「アウトプット」である。さらに筋トレである。


しかし、アウトプットの練習が皆無の速読しかやっていないの30代?ぐらいの女性が、150キロを打ち返すのである。つまり


【インプット能力に長けている者が、アウトプットの「練習なし」に見事に結果を出した】


ということである。


つまり、この事実は、かなりの球技やそれに準ずるスポーツの指導者や選手が「俺らが莫大な時間と労力を費やしている練習は、どうなるんじゃ〜!」と頭を抱えるような事実だと思うのである。


ということでY田くん I 藤センセ、「サーブの雨あられ方式」できるだけはやく実験しましょうね。