1102話 事件は現場で起こっているんだ

 

意識の処理能力の36000倍の情報を得ているのであるが、じゃあ「意識」は何もしないでいいのか?ということになる。やはり「今から俺はこれがやりたい、これをやる」という「方向性を決める」ということは意識のお仕事であろう。


Y田コーチがテニスラケットを手に「これなんだっけ?」と途方にくれているようではテニスの上達は考えられない。


サーブを打つ、相手の打球を返す、というような「今からやることは何」は必用である。


やりたいことは何なのかということが決まったら、じゃあどうするのか!ということだ。これに関して「踊る大捜査線」で「青島刑事」が名言を吐いている。


「事件は会議室で起こってるんじゃないんだ! 現場で起こってるんだ。」


社長が方向性を決めたら、あとは現場にまかせればいいのである。


ところでここで問題がある。意識動作の「現場」とはどこだろう。


Y田コーチで言えば、テニスでお仕事をしているところはどこ?という問いである。


実際にボールに当たっているのはラケットであるから、ラケットということになる。しかし、これはメーカーに対する小売店舗のような関係で、実際は「自分(自社)のどこか(の部門)」ということになるから、ラケット(小売店)に接しているグリップ(社員)、というのが答えの一つになろう。


これは理論ではなく、実際に現場で起こったことである。


この1〜2ヶ月、Y田君やせいこちゃんやK山君が、動揺するぐらいのレベルの結果がいきなり出るようになった背景にあったことは「ラケットへの接し方=グリップ」のみであったと言ってもいい。


どうやったらうまくいくか?という考察ではなく、なんでこんなにうまくいっちゃたんだろう?という考察である。