1148話 なおちゃん、裸足で歩く ほか一編

セカンドセルフ全盛で、影の薄くなった感のある「足裏テーピングとコットン球補正による まともに歩ける足づくり」である。


が、なんと言っても発見して一晩、公開するかどうか悩んだという極上のものである。こんなに簡単で費用もかからない方法を公開してしまったら、自分の本業を受けに来られる方が激減するのではないか、と真剣に考えたようなレベルの変化をもたらすものである。


しかしながら、筆者の目的は、整体にくる必要がないくらい元気になった人を増やすことであって、整体を受ける人を増やすことではないという本義に立ち戻り、道場に来られる方全員に伝授を開始したのであった。


杞憂であった。


公開後一週間たってから、新規の方がぽつりぽつりと増え始め、尻上がりに先週まで増え続けているのである。


そして先週の土曜日。


脳性麻痺のなおちゃん。二年ほど前の最初の時は、両足首はがっちりと固定する装具をつけ、念のために車いすまで用意して来た娘さんである。


相性がよかったのか、装具がとれ、あぐらがかけるようになり、正座ができ…と着々と機能回復している。


ここ二ヶ月は都合で来ることができなかった。


足裏補正は「歩行とは脳の命令による両脚の往復運動ではなく、足の裏のまがたまライン上にある体癖運動反射点の反射運動の合理的な連動の上にあるんだ理論」が正しいとすれば、なおちゃんの歩行能力をさらに回復させることは可能であろうという予測があった。


やっと確かめることができる。


健常者とまったく同じ手当。


結果。


足裏テーピングとコットン球補正をして、そのままクラッチで歩いてもらったら、その歩く姿を見てお母さんが泣いている。


2年前までは装具で足首を固定しないと歩けなかったなおちゃんである。装具のとれた今でも屋内でははいはい。立つとしても、曲がらない足首で足指を内側に曲げるようにすって爪を痛めるし、うごきは不安定なので分厚い滑り止め付き靴下を履かないと歩いたことがなかったのである。


それが足首の曲がりが今まで以上によく曲がるので、足指をすらない。だから裸足で歩ける。


お母さんが初めて見る「裸足で歩くなおちゃん」だったのである。


休憩時には、背中をぴったりと壁に付けて垂直に立つなおちゃんであった。この垂直なおちゃんもまた初めて見るお母さんであった。


いわゆる健常者と呼ばれる人が正しく歩けるための補正法とまったく同じ方法で、なおちゃん大いに機能回復。


もちろん前記したように家庭で簡単にできる方法なので、施設から帰宅時には自宅でもできる。お母さんは、施設の看護士さんにテーピングだけでも頼むという。


これからがますます楽しみなのである。


なおちゃんがうまくいくということは、なおちゃんと同種同程度または軽症の方々は、自宅で自分で(または家族の手で)機能回復できる道が開かれるかもしれない。





【くつ情報】


先日ご報告の作業服屋で購入した大工さんのはく「たびぐつ」


Y田コーチがそれを履いたままレッスンをやったら、受講生が


「せんせ 靴下でレッスンするんでっか?」


と見間違えたらしい。


そして、インソールに自分で『まがたまライン』を縫いつけるほど足裏感覚で花開きつつあるK山コーチに履かせてみたところ、彼はY田コーチのようにすぐに作業服屋には走らなかった。そのままその靴を盗んで帰ろうとして見つかったらしい。


ということで、まだ購入していなければK山君、今日M安さんが新しいブランドの「たびぐつ」を履いてきた、その情報を参考にしてほしい。


ほぼ同じデザインであるが、なんとEEEの幅広である。ブランド名を「寅さん」という。


これはかなり、さらに優れものかもしれない。