1206話 10分前のことを忘れて…

Yくんの続報である。


彼の「すごいことになった」というものはいかなるものだったのか。



資格試験に向けて勉強中の彼であるが、昼夜逆転不規則生活、かつ勉強にもなかなか身が入らないというのが日常であった、らしい。資格試験勉強のためのDVDを観ることさえ、なかなか気力が湧かなかったりする。


そういう循環に陥ると、なかなか抜け出せないのが我々凡人の常である。


今回の講座は、ばりばりビジネスマンやら起業家のための成功講座なんて意味でやったのではない。(って、そのつもりで来られた方もおられないだろうけど)


ささいなことで萎え、気力は衰え、いらつき、無駄に時間を過ごしたと悔やむ。そういうサイクルをちょっとかえることができれば、けっこういいんでないかい、というねらいである。


日課であるDVDの視聴さえ、なかなか難航していたYくんであるが、やったことを書き出すようにしたら


・朝起きてからDVDのスイッチを簡単に押している


・12時55分にノートに「何だか萎えてしまって、この後勉強
 するのがめんどくさいなぁと思った」と書いたのですが13時05分
 に図書館に行っていた(今日ノートを見て気付きました)


・新聞の記事をはさみで切り取った。(こんな事数年ぶりです)


・夕食後に図書館に行った(初めてです)



というような変化がするすると現れたらしい。


実際にはまだまだあるので「ほんとうはそのままノートを取り出して説明したいのですが・・・」とのことである。


さらには、昼夜逆転でに振り回されていた彼であったが


「今ノートを見ながら気付いたのですが、寝起きが良くなった、睡眠時間が少なくなったということにも気付きました。実はこれ
見逃してましたけど、大きいです、寝起き良くなってます。」


なんだそうだ。

彼は携帯できる小型の手帳ではなく、大きなノートを使い、さらに逐一時間も書き込んでいるらしい。


だから10分前に「今日はもうダメ」と思っていたにもかかわらず、10分後には勢い込むこともなく「図書館に行きました」ということなっていたことにも気づいたのである。


講習の内容はあくまでも「一例」である。


考えたことをやろうとして、散々うまくいかない体験はたっぷり積んでいるので、「やったことを観る」という方式に変えて、自意識主導から少し距離を置いたときに何が見えてくるか、ということをそれぞれで発見して頂きたいのである。


どんどん自分流を作ってください。


ただし「思ってもみなかった展開」や「思ってもみなかった自分の行動」と出会っている間は、「自意識低下流」ですが「思い通りの展開」や「思った通りの自己規制に成功」というのは、「自意識流」で、今回やったことではありません。