1208話 Y田レポート

Y田です。


チームNEXTとして&インナーテニス導入後初試合、E坂ナイターの結果報告です。


1回戦:
【テニススクールの中級ぐらいの人】


自分のペースでインナーテニスができ、1本打ったら決まるような展開。

スコアは6−0


2回戦:
【どこかのテニススクールのコーチ】


相手はサーブもストロークも威力があり、序盤フォアのラリーで打ち負けてしまうが、音を聞くことに集中するとフォアが復活。さらに相手のサーブの確率が下がったことと、相手のバックのレシーブに穴があり、そこを攻めこちらがペースを掴みスコアは6−2。


3回戦
【元同僚で優勝経験ありの第4シード(対戦成績は1勝1敗)】


サーブ練習後、津田先生が到着。


序盤からボールを相手のいる場所に返球してしまう。サイドに打とうとするが先に相手を見てしまい少しアウト。修正しようと音を聞こうとするが聞こうとする自分だけがいる。


0−5から自分が今何をしているか観察すると、相手が崩れようやく1ゲームとる。しかし次のゲームを落とし1−6。



その後、先生とプレイヤーの体の相(?)を見ながら客観的に周りの試合をみる。突如もう1試合したくなり本部にエントリーに行く。


4試合目
【どこかのテニススクールの生徒らしいが自滅せずにしっかりと試合ができる人】


自分のサーブもしっかり打てていたが、ラリーが少しアウトで最初から相手にゲームを取られてしまう。1試合使ったボールなので少し軽くなっていて、思っているところよりボール1つ分ほど出てしまう。3−3までは普通の試合という感じ。


[すると観客席の津田先生が立ち上がってぴょんぴょん跳ねている。]猛暑で何か乗り移ったか!?いや、ぴょんぴょんしろってことだな。ぴょんぴょん…。


すると今まで試合で打ったことのないサーブが続出!!その後も津田先生が時々動いてその動きをすることによって体がまとまって、あれよあれよと今まで自分がしたかったテニスがでてくる。レシーブは勝手に返るし、打ったら勝手に前に詰めてボレーしているし。結果楽々6−3で勝利。


試合後対戦相手にあのサーブは何なんだ?何本もエースを取られたよ…と言われる。


最後の試合のように自分のやりたかったテニスができたのは(もちろんレッスンや練習では経験することはあるが)、4〜5年前にいろんなところに試合をまわっていて、インターハイなど全国大会に出るようなジュニア達と毎日のように練習や試合をしていた時以来だと思う。もちろん今日のテニスの方が動きの質は高いし、自意識は低いが。でもそれぐらいぶりの試合ができた。そんなE坂ナイターでした。



4戦目の3−3の後のY田くんは、まさしく彼から聞く「こんなテニスが出てきました」を目の当たりにした感じであった。もちろん彼が語っていたのは練習時にできるようになったことであって、それがどの程度できるかな?っと出場したのが5月の同大会。


練習とひさびさの試合の差に、惨敗の彼であった。


4戦目。ぴょんぴょん後の彼は、心から楽しそうにテニスをやっていたように見えた。ぴょんぴょんは別に特別なことでもなんでもなく、軸も立って力みなく立っているから、いま少し意識が下に伸びれば安定するよ、というだけのことである。


サーブはなかなかの見ものであった。k山コーチのラケットを吹っ飛ばしたと噂のサーブであったが、第3試合で見る限りでは、積極的なサーブではあるけれど、他のコートのうまそうな人との差というのをはっきりと感じるというものではなかった。


彼が、自然体を取り戻した後は、「デーゲームで夏ばての下柳の抜いた変化球」が、いきなり「藤川球児の真っ向勝負のストレート」に変わったぐらい変わった。


見ものであったサーブであったが、「いいなあ」と感じたのはそこではない。


「思い通りのプレー」というか、「そうだ、こんなテニスがしたかったんだ」というプレーと出会った後の彼は、ポイントを上げても、「やった」というものは一切出てこなかったし、相手がミスをしても「しめた」「もうけた」「ラッキー」というようなものは一切感じなかった。


後で確認したらやはり「もう少し粘ってくれ」「もう少し難しい球を打ってくれ」といった思いにあふれていたという。


自意識下では、試合は、「成功」「失敗」「勝ち」「負け」にどうしても支配されてしまいがちである。


ラストのおそらく10分少々は、それがなかった。試合という場で、その相手のいるおかげで、「練習では出会えない自分に出会えた」ということだ。相手は私のそれを引き出すためにいてくれている、というものだった。


Y田くんの夏は終わった(って、ウソ、終わってないって)