1212話 ラッキーヒットはいらない
イチローの三千本安打の記録を報じた新聞記事・談話の色々の中で一番心に残ったもの。
盟友の城島がイチローと話をしていて聞いたという話。
彼は、野手に取られるか抜けるかという微妙な当たりを打った時には、
「捕ってしまえ」
と思いながら一塁に走っているのだという。
「抜けろと思ってアウトになったら、次にマイナスを引きずるから」
なんだそうだ。
聞けば理由は納得できる。けど、プロ野球の選手の中で、プロ野球以外の競技者に範囲を広げても、本番の試合でこんなこと本気で考えながらプレーできる人って何人いるんだろう。
「ラッキーでもヒットはヒット」
というのも一つの考え方。でも
「ラッキーなヒットは不要」
と本気で考える人が、3000本を通過した。