1309話 I上くんへ

速読講習参加の「超遅読み自覚あり I上君」から「その後」メールが来た。



「普通の文章なら行く前よりは比べもんにならないぐらい速くなったし、内容もだいぶん入るようになりました。」


それは結構!


読書速度も3倍を超えて、4倍に迫ってきたと言う。


「まだまだ英語や古文を読むと逆に焦って意味が取れないんで、速読の練習も言語自体の勉強も修行が足りない感じです」


なんだそうだ。



I上君、この方向は間違いです。


英語や古文への応用はまだ考えてはいけません。


君の若い柔軟な脳なら、平易な現代文なら、10倍ぐらいには早晩行くでしょう。


3倍4倍程度では、まだまだ脳を含めた「使い方の回路」が切り替わっているとは思えません。すぐに「音読風 今までの読み方」に引っ張られて戻ってしまいます。


10行アップするたびに報告下さい。100行アップを越えてから、応用を考えましょう。


平易な現代文の読みを、二階フロアか、できれば三階フロアまで引き上げるのが先決です。そんなに時間はかかりません。


今の感覚で、苦手科目に応用しようとしないこと。桁外れに上質なものまで仕上げたら、他に応用できる力を持ちます。