1326話 自発的にやったこと

土曜日の稽古直前に「これって、こういうふうにやればいいのではないか?」という「言葉と心理」「言葉と表現」「言葉と学習」に関する一つの思いつきが浮かび、冒頭の時間、ご紹介と簡単な実験だけに協力してもらった。


仮説を紹介しただけだったのだが、可能性は感じたが継続して稽古するレベルにまだ至らず、と判断して「熟成だな」に「たなあげ」しておいた。



N田さんが、その時にある道具がないためにできなかった方法を、自宅で実際に試み、その途中経過をたびたびメールで送って下さった。


「こうやればこうなるからやりましょう」


ではなくって


「こうなるような気がするのですが、まだ実際よくわかりません」


ということを実践して


「こういう作用がありました」


という報告である。


報告メールをしたくなるぐらいに、ご本人にとって「なかなか嬉しい結果と出会った」


ということである。


あることがらに対する、その人の「考え」を聞いて、心からおもしろいなあと感じることはきわめて少ない。


あることがらを、その人が自発的に「やって」探求し、どうなったか、どういうことを感じたかということは、聞いていて非常に楽しい。