1329話 型とのかかわり 2

そういうやり方をしていると、「武術打法」のコツのほんの一つ、2ページほどの中身が、簡単に紹介するだけでも二時間三時間では終わらない深みと厚みを持った内容となって現れてくる。


自分一人で創意工夫したとしても、決して出会わなかっただろうものと出会う。


大喜びでしばらく続ける。すると、「これぞ本質的なものだ」と思っていたものが、いえいえ、これは詰まりを打開する時に使うようなもので、メインストリートではないようだ、何て局面にも出会う。


メインとサブに分かれつつも、やはり独力では出会えなかっただろうものに出会う。


そこにあるのは「こうやればこうなる」というもので「これで正しい」というものではない。


ゴールではない。


凄いけど、たぶん初歩の段階。いくつかは迷走中かもしれない、なんて納得しつつ疑いながらやり続ける。


知識・ノウハウを商品として買う、というのとはまったく違う関係が生まれる。


どう使っていいのか分からないものの、使い方を模索していく。


実際には何も教わっていない。にもかかわらず師匠としての価値も、型の価値も果てしなく高まっていく。