1351話 真剣

「真剣にやろう」としたら、真剣でやればいいのであった。


「つまり、真剣にやるってのはこういうことだろう」


と、事前にレベルや質を予測できるようでは、真剣ではない。


見たことも感じたこともない自分がそこに現れて、はじめて「真剣って、真剣だったんだ」ということが分かる。


そういうのが、どうも「真剣」ということのように思える。


真剣に出会ってみると、今までの私は何だったの?という感覚が生まれる。


あるのに出さなかった。


それまでの自分で一生懸命やっているところに、さらに要求されると


「私だって精一杯やっているんだから、これ以上どうしろって言うのよ」と逆ギレしたかも知れない。


しかし、よ〜く思い出してみると、精一杯のようで精一杯でない。


これ以上はやりようがないようで、実はまだ上のあることを知っているようにも思える。あるのは何となく感じるのだけれど、どうやればいいのか分からない。


本当に精一杯であれば、逆に心は安らかだろう。やれるはずなのにやれていない時の方が心に波が立つ。他人に指摘されると余計に腹も立つ。


「真剣にやろう」としたら、真剣でやればいいのであった。


これが23日のメインテーマの一つです。