1355話 凡人力
おじさんは思う。
「信じ続ければ、いつか夢は叶う」
なんてごたくを信じてはいけない。
それが言えるのは、叶った人だけだ。
オリンピックの金メダリストがもてはやされるのは
信じ続けたけど、叶わなかった人がとんでもなく多いから、叶った人がもてはやされるのだ。
金メダルは一人だけ。それ以外は叶わなかった人たち。
「私にはきっと才能がある」
なんてごたくも信じてはいけない。
あればとっくに開花している。
「やればできる」
なんて迷信も信じない方がいい。
やれる人ならすでにやっている。
「やる気だけは誰にも負けません」
なんてセリフを覚えちゃ行けない。
「やる気」というのは「やっている最中の氣」のことで
まだ始めてないのなら「やろうと思う気」というのが正しかろう。
実際にやり出すといろいろと予想とは違うことだらけで
やる前の甘い見通しと希望的観測に基づいた「やる気」なんて
あっという間に消耗消滅してしまう。
才能もたいしてなく、やる気はすぐに失せて、意気消沈し、信じ続けることもできない「へたれ」が私。
その「へたれ」な私を自覚する。
私は凡人。
断じて凡人。
だから、本当にする必要のあることが見えてくる。
ね、S本さん!