孤独感

厳しい職場環境に、やや精神的に押され気味だという男性が、「孤独感というのは、心臓のあたりの痛みに関係しているのですね」


とおっしゃった。


勝手に整理すると「この孤独感やら疎外感が解消されないと、胸の痛みも根本的には解決しないのだ」ということを言っている。


しかしながら、身体症状を引き起こすほどの疎外感や孤独感が、ひょいひょいと解消された、という方にはお会いしたことがない。


その方の孤独感を解消する、という方向には、私は手の出しようがない。


もう一度話を眺めてみると、孤独感とセットで心臓周辺の痛みが出る、とおっしゃっているのである。孤独感に共鳴して心臓周辺が痛みを出している、と勝手に解釈すれば、実は心臓くんも孤独を感じているのかもしれない。


であれば、心臓君の孤独感を解消すればどうだろう。心臓のお友達を連れてくればいいのである。


心臓の交友関係は知らないが、やはり小腸や盲腸よりも、心臓同士の方が話が合いそうな気がするので、胸の前にイメージで心臓友達を一つを感じてもらう。


自分の心臓に対して、前後左右、同方向・向かい合わせなどの位置関係で、もっとも「フレンドリーな感じ」がする位置を尋ねて、そこに並んでもらう。


ら、孤独感が一気に激減してしまったそうだ。


ということを試しにお一方にやっていたら、回りで機嫌良くニコニコしていた方々が、急に眉間にしわを寄せて「私も孤独です」と言い出されるので、居合わせたすべての方々に「心臓フレンド」を試みる。


全員が、心理状態に顕著な変化を実感された。(とその方々が言われるのだ)


その足で鳥久に行き、さしみの盛り合わせに、心臓を多めに盛ってもらって、心を込めて食する。


みなさん、さらに機嫌良くなる。


人間というのは、予想以上に、いろいろな変わるきっかけを持っているようである。