「かみ」さま

わりばしを噛んだり、かみ合わせの部分だけにマウスピースをつけると、なぜか体が柔らかくなったり、走るのが速くなったり、疲れなくなったりする、という現象を発見。


それで、もっぱらわりばしをくわえて走っていたのだけれども、あまり人様に見せるものでもないので、割り箸をどんどん短くして、口の中に納めるようになった。


で、口の中で前へやったり後にやったり、いろいろな歯にかみ合わせて、走ることとなる。


すると、箸の置き所で、体の動きが違うことに気づく。


上の歯の一本ずつで、腰椎に対応した身体反射が出てくることが解った。


もっとも中央の歯を1と呼び、順次2,3,4とナンバーを振り、「一噛みしてください」とか「三噛みでやってみましょう」などと講習しておったのですが、一つ一つのあまりの効果に感動し、呼び捨てができなくなってしまった。


故に「いちがみさま」とか「にがみさま」と敬称を付けて講習する、昨今である。


 テニス合宿では、安全のためにはしを脱脂綿に変え、どこで噛んでいる時に、どういうプレーの能力が向上するか、とか、自分の反射がよくなってくるか、などとやっていたのである。


高校卒業後、10年ほとんどテニスをやっていなかったつっくんも、「噛み」が入った二日目には、見違えるような動きになっていたという。(つっくんのテニス部時代の顧問のI藤せんせも合宿に参加されていた。この高校テニス部師弟復活、I藤せんせに特訓をうけるつっくんは、ちょうどコート組を見に行った時にやっていて、つっくん『けっこうやるやん』状態であったのは、実際に見た)


「四噛みさまの御利益」だったそうだ。



火曜日の整体教室でも実施。


S木さんが、友だちのOさんを体験受講に連れてくる。


Oさんは、ご近所に住まうお父さんの介護をされている。


そこで、「介護時のからだの使い方を、綿球の噛み方で変化を調べる」というテーマが緊急非常し、なかなかいい変化を引き出すことができた。


自分一人ではきっと気づかなかったと思うが、Oさんが来られることで、気づいた。


介護する側が噛むことでもやりやすくなるし、介護される側が噛むことでも、起こしたり移動させたりが格段に楽になる可能性がある。


もちろん、実際の介護現場では色々個別の事情があるから、そうそう「甘いもんじゃないよ」ということだろうけれど、それでも「いつものきまりきったパターンで疲弊してしまう」状況に、何か変化を呼び起こせる可能性は十分にあると感じた。


Oさん以外に、介護のお仕事のKさんも参加されていた。


実際の現場でどうだったのかの後日のご報告を待ちたいと思う。


「甘いもんじゃなかった」としても、使い物になるまで追求したいと思う。