誤解を生むデザイン
本日は、年末のお墓参り。
いつもは母上と二人だが、今日はあさちゃんも同行。午前中でご先祖様ご一同様とのご挨拶をすませ、昼食ということになる。
阪神高速を豊中南〜名神・尼崎という「いつもの帰りのコース」を変更して、豊中北まで阪神高速を北上し、6年前まで住んでいた懐かしの伊丹市内で食事。
食事を済ませて、実家に帰ろうという際、某尼崎市内の、某尼崎市立某塚口小学校南側の道路を走っている時である。
右折時に目に入った歯科医院の名前を見て、筆者は目を疑った。
「むちうち歯科」
首にコルセットをつけた患者が待合室にあふれる、不思議な歯科医院が脳裏に浮かんだ。
「はい、倒しますね〜」とか「起こしますね〜」
と、診察イスをリクライニングするたびに、超高速で背もたれが動き、「ガックン」と首を痛めた患者さんが、頭を抱えてのたうち回る情景が目に浮かんだ。
いくらなんでも、そんな名前付けたらあかんやろうとよ〜く見た。
ら、
やはりそんな名前ではなくって「むらうち歯科」だった。
おそらく漢字で書くと「村内歯科」なのではないかと思われる。もしかしたら「邑内」というような読みづらい感じがもとの名前だったのかもしれない。
ビルのテナントではなく、歯科医院だけで一つの建物である。白を基調にして明るい雰囲気であり、清潔でかつソフトなイメージが建物全体からにじみ出るように設計したようである。
ゆえに、看板の文字もまた「ひらがな表記」にしてソフトイメージの強化を狙ったものであろう。
それ専用の字体もデザインしてもらったようである。
デジタルの数字に似ている。電光掲示板の数字のやつです。8を四角く表記して、その中の点灯する線で1〜9まですべてを表示するあれですね。
基本的に垂直線と水平線で構成し、角の部分のみをちょっとだけ角を削ったあの数字。それが「むらうち歯科」のひらがな部分の字体なのである。
結果として、もともと似ている「ら」と「ち」がさらに極端に似てしまった。それも、「ら」がどんどん「ち」の方に歩み寄ってしまった。
結果として「虫歯は治って、首を痛めそうな」恐ろしい歯医者さんの看板ができあがってしまった。
というように、「ひらがなの形状」について筆者がナーバスになるのは、毎年恒例の「あの年賀状」のせいである。
今年は「ひらがなのかたちをどうするか」というのに苦心・腐心・創意・工夫したのである。
「何のことか解らない」という方は、年賀状下さいね。自宅住所が解らなければ道場の方に出して頂いたら結構ですので。